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「え、エリス様!」
「うわ、なんだ、どうした」
「――ありがとうございます……! 興味を持ったこと……好きなことをやっているときが……そうですよね、一番綺麗なんですよね! エリス様の言葉でそんな簡単なことを思い出せました」
「え? お、おう。それはよかった」
「エリス様、そういうところ大好きです、ふとしたときに私一人では気づけないことを言ってくださって……そう、きっとラズワードが一番輝ける瞬間は……ふふ、やっぱりあの子もワイルディング家の男なのですね」
「だ、だだ大好……!? え、ちょっ、アザレア、え、っていうかラズ……? 誰、それ……? え、いや」
一人でパニックになっているエリスもこの時ばかりは目に入らなかった。
そうだ、やっとラズワードが飛び立てる。暗くて狭い鳥籠の中から。そう思うと嬉しくて嬉しくて、たまらなかったのだ。
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