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私の剣を貴方に捧げます
「エリス様ー! 朝ですよ! 起きてください」
「うるせぇ! 今何時だと思ってんだ! 外見ろ! まだまともに日も昇ってないじゃねぇか!」
騒々しい音とともに現れた男によってエリスの安眠は終わりを告げた。無理やりたたき起こされたようなものであるエリスはあからさまに不機嫌な顔をして男を睨みつける。
「くそ、こんな早い時間に起きてなにをしろっていうんだよ、ロドバルト!」
「何かをするために早く起きるのではありません! 健康のためです! 何かをするというなら私と体操でもしましょう! さあ!」
「朝から暑苦しいんだよ、余計なお世話だ、着替えすっから外でてろ!」
「お手伝いします!」
「結構だ! 邪魔だ、あっちいけ!」
「しかし! お着替えのお手伝いも従者のつとめでございましょう!」
「俺がいいって言ったらいいんだよ! おら、さっさと失せろ!」
エリスはしっしっと手を振る。そうすればロドバルトは残念そうな顔をして肩をすくめ、首を横に振った。しかしエリスがきっと睨みつければ渋々部屋を出ていこうとする。
そんなロドバルトの背中を見ながらエリスは思った。
(ハル羨ましいな……)
従者のいないハルを心底羨ましいと、そんなしょうもないことを。
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