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「あん、……あ、ん、ぁあ……」  下のほうから快楽が這い上がってくる。じりじりと全身を満たしていくそれは、それでも絶頂に達しようとはしない。じんじんと痺れるような感覚が、延々に続いていく。 「はる、さ、ま……いか、せて……おねがい、いかせて、ください……」 「……うーん……どうしようかなー」 「あ、あぁ……おねがいします……はるさまぁ……」  そこは、すっかり柔らかくなっていた。熱くて、熱くて、ハルのものを美味しそうに飲み込んで、もっと欲しいとせがんでいた。ずるずると挿入を繰り返し、それでも穏やかな動きにイクことは叶わず、じわじわと広がるような快感がひたすらに染み渡ってゆく。 「ひっ、あっ、はぁっ、ぁんっ」  奥に入り込む度にラズワードは熱い吐息を吐く。蕩けたような瞳でハルを見つめ、たすけて、と懇願の眼差しを送っては、その声で煽る。 「ゆるして、ゆるして、はるさまぁ……」 「……、」  ラズワードのものの先端からは、とろとろと熱い蜜が溢れていた。奥を優しく突くたびにソコからはぴゅ、と遠慮がちに飛び出しては二人の重なったところを濡らしてゆく。 「はるさま、はるさま……」 「……わかったよ、ラズ……一緒に、イこう、な」  ぽろ、と瞳から落ちた雫にラズワードの限界を汲み取ったハルは、名残惜しい気持ちを押し殺しながらラズワードをベッドの上に寝かせた。くたりと横たわったラズワードは、はぁはぁと泣き声にも似た呼吸をしながら体の熱を逃がしていた。 「あぁっ……」  ずる、と引き抜けば、ラズワードが寂しそうな声をだす。ラズワードの体の脇にしっかりと手をついて、彼を見下ろしてやれば、熱っぽい視線で見上げてくる。 「……っ」 「ラズ……好き」  ラズワードは弱々しくハルの腕を掴んで、微笑んだ。それを合図に……ハルは一気に腰を押し進めた。 「――あぁッ!?」  ぱん、と肉のぶつかる音と同時にラズワードが甲高い声をあげた。びくっと激しく体が硬直したことに動きをやめそうになってしまったが、ハルはまた一気にソレを引き抜く。そして、腰骨をぶつける勢いで、再び強く打ち付ける。 「ああっ! あっ!」 「……っ!」  速度こそはないが、一つ一つの動きは重かった。奥を突き上げると同時にラズワードの身体は大きく跳ね上がる。 「あぅッ! やっ! あぁッ!」 「ラズ、ラズ……」 「はるっ、さ、まっ……あっ、ああッ!」 「きもち、いい、か?」 「ひゃっ、あ、はい、……! おか、しく……っ、なり、そ……あぁあっ」  ハルはラズワードに覆いかぶさって、全身で抱きしめた。ラズワードもハルの背に腕をしっかりとまわし、しがみつく。 「い、っちゃう、はる、さま……いく、あっ」 「おれ、も……! だして、いい……?」 「……、きて、はるっ、さま……! あっ、あっ、くる、くる、あぁああ――ッ」  びくんっ、とナカが強く締め付ける。それと同時にハルはラズワードの中に精を放った。どくんどくんと脈打つ微弱なソレの動きに、ラズワードは酔いしれる。くたりと力の抜けた身体でハルをぎゅっと抱きしめて、じわりと広がる熱を感じ取っていた。 「……はるさま」 「……ラズ……愛しているよ」 「はい……はるさま、……キスしてください」 「……ん、」  唇を重ねた。目を開けて、見つめ合う。くすくすと笑えばお互いの吐息を感じる。 「……こういうの、幸せっていうのかな」 「……たぶん」 「ラズは? 今、何考えてる?」 「……幸せだな、って」  へへ、と照れながらラズワードは笑った。きゅーん、と胸が締め付けられるような感覚にハルは悶えたいのを我慢して、もう一度口付ける。 「……ハルさま、好きです」 「……うん、俺も」 「……一生、これ、大切にしますから」 「……うん……似合っているよ」  きら、とベッドサイドのランプに煌くブルーのピアスが、眩しい。

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