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 乳首を指の腹同士をこすりあわせてぐりぐりと刺激する。そして、ゆらりと立ち上がったラズワードのものの先端を親指で擦り上げた。とろとろと溢れだした蜜がぬるぬると広がっていく。 「ふ、ぅう……ん、あ……」  ぽこ、ぽこ、とひとつひとつ、ゆっくり飛び出てくる。虚ろ気な瞳でそれを見つめながら、ラズワードはぷるぷると首を振って、かすれた声で言う。 「やだ、おねがい、これ、やだ、やだ、はるさま、……」 「だって気持ちいいんでしょ? ほら、次のでてくるよ」 「やっ、あぁ、ゆるして、ゆるしてはるさまぁ……、あんっ、でちゃう、やだぁ……」 「可愛いよ、ラズ……ほら、もっとだせるよね」 「あぁあ、あぁ、みないで、だめ、んん、でちゃう、でちゃう、……」  ハルが片膝を抱えてぐっとひくと、ラズワードの腰が思い切り突き出される。丸出しになった穴はひくひくとはしたなくひくついて、そしてビーズを生んでいる。ぐりぐりと鈴口を刺激すればラズワードの腰は勝手に揺れ動いて、じっくり、じっくりビーズを吐き出していた。 「半分だね、ラズ、がんばったね」 「もう、だめ、はるさま、おねがい、ゆるして、」 「うん……ラズ、すごく可愛いから許してあげる」 「ほんとう、ですか、はるさま……」  ハルが取っ手に指をかける。 「抜いてあげるからね」 「……、まって、ゆっくり、……」  そして、一気に引き抜いた。 「あぁぁぁあああぁあぁッ――」  ずるるるっとビーズが全部出てきた。ラズワードは大きく仰け反ったかと思うと、びくっ、びくっ、と小さく痙攣を繰り返す。鏡にうつる穴が、小刻みに震えている。  ぐったりとしたラズワードの縄を、ハルはすばやく解いてやった。そしてラズワードをうつ伏せにシーツの上に寝かせて、腰を持ち上げた。 「……、はる、さま、いれて、いただけるん、ですか……」 「うん……俺もそろそろ限界」 「うれしい、うれしいです……はるさまので、いっぱい、いっぱい、つかれたい、……」 「……俺も、ラズのこといっぱい突いて、ぐちゃぐちゃにしたい」 「して……はるさま、して……」  ふらふらになりながら、ラズワードはかくかくと震える腰を自ら突き出した。振り向いて、熱っぽい瞳でハルをじっと見つめる。はやくいれて、と甘く、かすれた声で囁いた。  ハルは素早く服を脱いで、すでに堅くなったものの先端をラズワードの穴に押し付ける。それだけでそこはびくびくっと震えて喜んだ。  ハルがぐっと先端を穴に押し付ける。そうすればラズワードの身体がびくんっとしなった。その勢いでそれを押し込んで、そして一気に奥を突く。 「はぁあっ……!」  ぞくっと渦のようなものが襲い来る。ハルはラズワードのことを焦らしていたようで、自分自身が焦れていた。やっと繋がれたという実感に一気に全身の熱が茹だる。ラズワードの腕を掴んで自分の方へ引き寄せると、激しいピストンを始めた。 「あぁあっ、あんっ、すごい、あっ、はる、さまっ、」 「きっつ、ラズ、中、すごいうねって……!」 「だって、はるさまのが、なかに、おれの、なか、やっと……!」 「……ごめん、虐めてごめんね、ラズ」  ふるふるとラズワードが首をふる。さらさらとした髪の毛の隙間から、ラズワードが濡れた瞳でハルを見つめた。顔を熱で火照らせながら、静かに微笑んで、言う。 「いいんです、はる、さま……おれ、すきです、だって、」 「……、」 「はるさまに、めちゃくちゃに、いじめられて、そういうの、ほんとうに、おれが、はるさまのものに、なっちゃったんだって、……そう、かんじられるから」 「……ラズ、ちょっと加減できないかも」 「はいっ……、はるさま、……もっと、ついて、……ついてっ……!」  ぱんっ、と肉と肉のぶつかる音が響く。腕を掴まれ、すがるところのないラズワードの上半身は、頼りなくガクガクと揺さぶられる。華奢な背中に汗が伝う。 「あっ、あっ、あっ、あっ」  結合部はすっかり濡れていて、離れるたびに粘着性の糸が引いた。部屋に響く音はどこか水っぽく、生々しい。 「はる、さまっ、……すき、……すき、……!」  動きを早める。ガツガツと乱暴にそれを中に押し込んで、そうすれば揺れる白い身体は壊れそうだった。 「俺も、俺もだよ……ラズ……」  ちか、と視界が白む。ハルはラズワードの身体をシーツの上に押し付けて、自分もその上に覆いかぶさった。腰だけが高く突き上げられたそこに、ぐり、と自分のものをねじ込む。  背中に、キスを落とす。 「……愛している」  びくん、と脈打つ。 「あっ……あ、~~~~~~~ッ!!」  ハルはラズワードの身体の下に腕を差し込んで、きつく抱きしめた。そして、中に精を放つ。激しくうねる肉壁は、ラズワードも同時に達したことを示していた。  ハルが体を浮かせると、ラズワードがゆっくりと体を反転させる。ハルが汗でへばりついた前髪をかき分けてやると、ラズワードは嬉しそうに笑った。そして、腕を回してきて、キスをねだる。ハルも笑って、そのお願いに応えた。  いれたままだ。すでに吐き出したそれは硬さはそれほど保っていなかった。それでも、出したくなかった。ゆっくりと腰を動かしながら、何度もキスをした。触れるようなキス、唇の感触を確かめるようなキス、そんなじれったいキスを何度も何度も。静かに開かれた瞳で視線を交わす。瞳だけで、何を考えているのかわかる。  好き。愛してる。 「はるさま」 「ん?」 「……へへ、はるさまっ」 「なにー?」  自分でハルの名前を呼びながら、ラズワードははにかんで笑った。 「……なんでもありません、はるさま」 「……ラズ、超可愛い」 「あっ、ちょっと、大きくしないでください」 「ラズが悪い」 「なんで! ……んっ」  再び、ベッドが軋んだ。でも、もうお互い体力もなくなってきていた。ハルはゆるゆると、のんびり腰を動かす。そうすればラズワードは甘い声を漏らしながら、くすくすと笑っていた。 「はるさま、おれ、変ですかね」 「どうして?」 「……だって、こんなに変態臭いことされて、」 (へ、変態臭いって……) 「……すごく、幸せなんです」 「――だって、それ」  ハルはラズワードの髪に手を差し入れる。そしてその大きな手のひらで優しく、なでた。 「……俺も幸せだもん」 「……、そっか。ハルさまも幸せだから、俺も幸せなんですね」 「……あー……、ラズ、好き」 「あっ、ん、ふふ、ハルさま、俺もです」  抱き合った、肌が触れ合った。そこから流れ込んだお互いの熱が、お互いの想いを抱きしめた。

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