188 / 343
12(4)
乳首を指の腹同士をこすりあわせてぐりぐりと刺激する。そして、ゆらりと立ち上がったラズワードのものの先端を親指で擦り上げた。とろとろと溢れだした蜜がぬるぬると広がっていく。
「ふ、ぅう……ん、あ……」
ぽこ、ぽこ、とひとつひとつ、ゆっくり飛び出てくる。虚ろ気な瞳でそれを見つめながら、ラズワードはぷるぷると首を振って、かすれた声で言う。
「やだ、おねがい、これ、やだ、やだ、はるさま、……」
「だって気持ちいいんでしょ? ほら、次のでてくるよ」
「やっ、あぁ、ゆるして、ゆるしてはるさまぁ……、あんっ、でちゃう、やだぁ……」
「可愛いよ、ラズ……ほら、もっとだせるよね」
「あぁあ、あぁ、みないで、だめ、んん、でちゃう、でちゃう、……」
ハルが片膝を抱えてぐっとひくと、ラズワードの腰が思い切り突き出される。丸出しになった穴はひくひくとはしたなくひくついて、そしてビーズを生んでいる。ぐりぐりと鈴口を刺激すればラズワードの腰は勝手に揺れ動いて、じっくり、じっくりビーズを吐き出していた。
「半分だね、ラズ、がんばったね」
「もう、だめ、はるさま、おねがい、ゆるして、」
「うん……ラズ、すごく可愛いから許してあげる」
「ほんとう、ですか、はるさま……」
ハルが取っ手に指をかける。
「抜いてあげるからね」
「……、まって、ゆっくり、……」
そして、一気に引き抜いた。
「あぁぁぁあああぁあぁッ――」
ずるるるっとビーズが全部出てきた。ラズワードは大きく仰け反ったかと思うと、びくっ、びくっ、と小さく痙攣を繰り返す。鏡にうつる穴が、小刻みに震えている。
ぐったりとしたラズワードの縄を、ハルはすばやく解いてやった。そしてラズワードをうつ伏せにシーツの上に寝かせて、腰を持ち上げた。
「……、はる、さま、いれて、いただけるん、ですか……」
「うん……俺もそろそろ限界」
「うれしい、うれしいです……はるさまので、いっぱい、いっぱい、つかれたい、……」
「……俺も、ラズのこといっぱい突いて、ぐちゃぐちゃにしたい」
「して……はるさま、して……」
ふらふらになりながら、ラズワードはかくかくと震える腰を自ら突き出した。振り向いて、熱っぽい瞳でハルをじっと見つめる。はやくいれて、と甘く、かすれた声で囁いた。
ハルは素早く服を脱いで、すでに堅くなったものの先端をラズワードの穴に押し付ける。それだけでそこはびくびくっと震えて喜んだ。
ハルがぐっと先端を穴に押し付ける。そうすればラズワードの身体がびくんっとしなった。その勢いでそれを押し込んで、そして一気に奥を突く。
「はぁあっ……!」
ぞくっと渦のようなものが襲い来る。ハルはラズワードのことを焦らしていたようで、自分自身が焦れていた。やっと繋がれたという実感に一気に全身の熱が茹だる。ラズワードの腕を掴んで自分の方へ引き寄せると、激しいピストンを始めた。
「あぁあっ、あんっ、すごい、あっ、はる、さまっ、」
「きっつ、ラズ、中、すごいうねって……!」
「だって、はるさまのが、なかに、おれの、なか、やっと……!」
「……ごめん、虐めてごめんね、ラズ」
ふるふるとラズワードが首をふる。さらさらとした髪の毛の隙間から、ラズワードが濡れた瞳でハルを見つめた。顔を熱で火照らせながら、静かに微笑んで、言う。
「いいんです、はる、さま……おれ、すきです、だって、」
「……、」
「はるさまに、めちゃくちゃに、いじめられて、そういうの、ほんとうに、おれが、はるさまのものに、なっちゃったんだって、……そう、かんじられるから」
「……ラズ、ちょっと加減できないかも」
「はいっ……、はるさま、……もっと、ついて、……ついてっ……!」
ぱんっ、と肉と肉のぶつかる音が響く。腕を掴まれ、すがるところのないラズワードの上半身は、頼りなくガクガクと揺さぶられる。華奢な背中に汗が伝う。
「あっ、あっ、あっ、あっ」
結合部はすっかり濡れていて、離れるたびに粘着性の糸が引いた。部屋に響く音はどこか水っぽく、生々しい。
「はる、さまっ、……すき、……すき、……!」
動きを早める。ガツガツと乱暴にそれを中に押し込んで、そうすれば揺れる白い身体は壊れそうだった。
「俺も、俺もだよ……ラズ……」
ちか、と視界が白む。ハルはラズワードの身体をシーツの上に押し付けて、自分もその上に覆いかぶさった。腰だけが高く突き上げられたそこに、ぐり、と自分のものをねじ込む。
背中に、キスを落とす。
「……愛している」
びくん、と脈打つ。
「あっ……あ、~~~~~~~ッ!!」
ハルはラズワードの身体の下に腕を差し込んで、きつく抱きしめた。そして、中に精を放つ。激しくうねる肉壁は、ラズワードも同時に達したことを示していた。
ハルが体を浮かせると、ラズワードがゆっくりと体を反転させる。ハルが汗でへばりついた前髪をかき分けてやると、ラズワードは嬉しそうに笑った。そして、腕を回してきて、キスをねだる。ハルも笑って、そのお願いに応えた。
いれたままだ。すでに吐き出したそれは硬さはそれほど保っていなかった。それでも、出したくなかった。ゆっくりと腰を動かしながら、何度もキスをした。触れるようなキス、唇の感触を確かめるようなキス、そんなじれったいキスを何度も何度も。静かに開かれた瞳で視線を交わす。瞳だけで、何を考えているのかわかる。
好き。愛してる。
「はるさま」
「ん?」
「……へへ、はるさまっ」
「なにー?」
自分でハルの名前を呼びながら、ラズワードははにかんで笑った。
「……なんでもありません、はるさま」
「……ラズ、超可愛い」
「あっ、ちょっと、大きくしないでください」
「ラズが悪い」
「なんで! ……んっ」
再び、ベッドが軋んだ。でも、もうお互い体力もなくなってきていた。ハルはゆるゆると、のんびり腰を動かす。そうすればラズワードは甘い声を漏らしながら、くすくすと笑っていた。
「はるさま、おれ、変ですかね」
「どうして?」
「……だって、こんなに変態臭いことされて、」
(へ、変態臭いって……)
「……すごく、幸せなんです」
「――だって、それ」
ハルはラズワードの髪に手を差し入れる。そしてその大きな手のひらで優しく、なでた。
「……俺も幸せだもん」
「……、そっか。ハルさまも幸せだから、俺も幸せなんですね」
「……あー……、ラズ、好き」
「あっ、ん、ふふ、ハルさま、俺もです」
抱き合った、肌が触れ合った。そこから流れ込んだお互いの熱が、お互いの想いを抱きしめた。
ともだちにシェアしよう!