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「あっ……ノワールさま……そこ、だめっ……」
「ここ? ここがいいんだね」
「ふ、ぁッ……! いっちゃう……ノワールさま……」
「ラズワードはイきやすいね……ああ、俺のせいか。俺がこんな身体にしちゃったんだもんね?」
「ぁ、ん……ノワールさまぁ……」
目を閉じて、快楽に堕ちていった。もう這い上がれない。もっともっと、深く、熱い闇の中へどこまでも堕ちてゆくことしかできない。
イケナイこと。ワルイ戯 び。罪の意識が心を燃え上がらせて、彼を求めてしまう。
ラズワードは決して、誰にでも身体を開くというわけではない。……ノワールだから。なぜかノワールにだけは、身体が従順に反応してしまうのだ。わからない。黒髪の隙間から覗く、ゾクゾクとするほどに陰鬱な闇を孕んだ瞳。それに見つめられると、なにをされてもいいという気持ちになってしまう。
「……挿れるよ」
「のわーる、さま……あっ……」
ああ、嬉しい。彼と一つになれることが、たまらなく嬉しい。ノワールに脚を掴まれて、大きく開かれて。冷たい目で見下ろされながら挿入されると、それだけでイってしまった。身体も心も征服されている、逆らえない。もっともっと、おかしくして。狂わせて。ノワールの闇に閉じ込められて窒息してしまいたい。
「すごい締め付けだね。感じてくれてるんだ?」
「……はい、」
「はは……可愛いね」
「やめ、て……言わないで……」
「事実だ……俺の下でよがっているラズワード……最高に可愛いよ。もっとどうにかしてやりたくなる……めちゃくちゃにイキ狂わせてあげるから……ついてきてね」
「……っ、ノワール、さま、……だめ……俺、そんなの……」
「……また、ぎゅって締め付けてきた。期待してるんだね……可愛い」
ギシギシとベッドが軋む。一度突かれるたびに、大きく身体が跳ねてイってしまった。異常だと思う。ここまで感じるなんて、いままではなかった。断続的にイき続け、意識が飛んでしまいそうになる。
「あぁああ……! ノワールさま!ノワールさま……!」
「……ラズワード……ほら、もっと鳴け」
「んっ、……あぁあああ!」
きつく手首を掴まれ、激しく突かれた。あまりに強い快楽に、頭の中は真っ白。逃げようという気すら起きなくて、ただされるがままに突かれるしかない。身体が自分の支配から逃れたように勝手にビクビクと跳ねて怖くなる。このまま死んでしまうのではないかと思うくらいに、感じてしまう。
「も……たすけ、……あっ、……」
「もう限界なの?」
「しんじゃ……う……ゆる、して……」
強すぎる快楽のせいか、苦しさすらも感じてしまう。泣きながら許しを請うたラズワードをノワールは冷たく見下ろした。そんな彼の表情をみてまたイって。これ以上この行為を続けられたら、壊れてしまう……本能的にそう思った。
「まだ俺イってないんだけど」
「あ……」
「欲しくない? 俺の……なかに、注いで欲しくない?」
「あぁ……」
耳元で囁かれる。ゾクゾクした。全部、見抜かれている。自分が彼に抱かれることに悦びを感じていると……。全てを支配されているような感じがした。逆らってはいけないのだと、そう思った。ラズワードはぼんやりとする意識のなか、ぽっと浮かんだ言葉を言う。
「くだ……さい……ノワールさま、の……おれの、なか……いっぱい……」
ノワールの瞳がすうっと細められた。ノワールはラズワードの頬をつうっと撫で、息のかかる距離で囁く。
「……いい子」
「……あ、」
……もう、だめだ。
ラズワードの中で全てが壊れた。自分の頬を撫でるノワールの手に、自らのものを重ねて……朧気に返事をする。
「……めちゃくちゃに……して、ください」
は、とノワールの唇から嗜虐に満ちた吐息が吐かれた。この人にぐちゃぐちゃにされたい、おかしくしてほしい。狂ったような願望がふつふつと湧き上がる。
そこからの意識は半分飛んでいただろう。乱暴と言ってもいいくらいに激しいノワールの律動に、ラズワードは悶え、よがり、ぐちゃぐちゃになってイキ狂った。途中からは声もでなくなって、パクパクと唇を動かすことしかできなくなった。
「ぁ……ッ、は……、……ッ、ぁ、あ!」
ぐ、と腰を強く押し込まれて、「ああ、出される」と思った。なかで少しだけ震えたその感覚に、全身が歓びに燃え上がる。無意識にノワールの背を掻き抱いて、全部受け止めたいという本能に抗えなかった。
「あ……、」
その瞬間、がくんと目の前が真っ暗になった。ぎりぎりで保っていた意識が、行為の終了とともに……飛んでしまったのだった。
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