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―――――― ―――― ――― 「ずっと――俺は、おまえを取り返すために、おまえを侮辱した奴隷制度をなくすために……強くなることだけを考えて生きてきた」 「……レヴィ」  失ってしまった、記憶のなかの自分と、彼。それを聞かされたミオソティスは、正直なところ戸惑いでいっぱいだった。レヴィのことはずっと怖い人としか思っていなかったため、こんなにも一途に自分のことを想い続けていたのだと聞かされても実感がわかなかった。でも……あのときの表情は、少し印象的だった。――レグルスで、ハルに勝った瞬間の顔。ほんの一瞬だった、レヴィは呆けたような、嬉しさのあまり泣きだしてしまいそうな、そんな顔をしていた。すぐにハルに向かって勝ち誇った表情を向けてはいたが。本当に彼は、ミオソティスを取り戻すためだけに生きてきたのだ。 「……俺は、魔力も持っていないし、貴族としての生き方もよくわかっていないし。まだ、あの貧乏で悪ガキだった頃とそんなに変わっていない」 「……」 「でも……俺、強くなったよ、ミオソティス」  笑ったレヴィに、ミオソティスはぱちくりとまばたきをする。  彼のことは、よくわからない。でも、直感的にこう思った。……彼に、ついていこうと。  最近自分の前に現れていた、金の龍の幻影。それは、レヴィのことだった。自分を連れだしてくれる、金の龍。ラズワードと一緒にいたころも、彼のお陰でそこそこに穏やかな生活を過ごせていたとは思うけれど――ほんの少し、とくとくと高鳴る鼓動は、これからの新しい生活が自分にとって色鮮やかになるのだと……そう、示しているような気がした。

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