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奴隷制度をなくすには、神族を倒せばいい。そのための財力と、仲間を集める必要がある。だから、レグルスでマクファーレンの当主になる権利を奪い取った。
そして……奴隷になってしまったミオソティスは、レッドフォード家に売られていた。奴隷を酷使することを好む貴族の家系だ。何を考えてそんな奴隷制度なんてものを好んでいるのか知らないが、あんなところからはミオソティスを奪い返さなければ――
――長い年月をかけて、レヴィは膨大な量の魔術の知識を身につけた。それこそ、血の滲むような努力をして。特別な強さに恵まれていたわけではなかったから、ただひたすらに努力をした。何も持っていないレヴィは、力を身につけていくことしかできなかった。無理やりマクファーレンを奪い取った野蛮人だと非難されようと、ミオソティスのことだけを想い続けて――ただ、強くなることだけに没頭していた。
「……俺は、誓うよ」
昔渡された、ぐちゃぐちゃの忘れな草の絵を見つめ、レヴィは呟く。
「おまえのために、強くなる」
――私を忘れないで
あの頃はわからなかった、忘れな草の意味。大人になってから知った忘れな草の花言葉は、儚く、レヴィの胸にいつまでも残っていた。
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