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ミオソティスが連れて行かれる、当日。レヴィは急いでミオソティスの屋敷に向かった。屋敷に着いたそのとき、ちょうどミオソティスが神族たちに連れて行かれるところだった。ミオソティスの父親が、目を腫らしながら神族に頭を下げている。ミオソティスは無表情に、神族に手をひかれていた。
ここに来るまで、レヴィは神族からミオソティスを奪い返すつもりでいた。連れて行かれる瞬間にミオソティスの手をとって、走って、遠くへ逃げる……完璧だと、思っていた。
しかし。
「あ……」
神族を見た瞬間に、脚がすくんだ。黒いスーツを着た彼らは、冷たい目をしていた。そして、形容しがたい、強いなにかを放っていた。レヴィには理解できなかったが、これは天使を圧倒的に凌ぐ神族の強い魔力。レヴィは本能的に、神族に恐怖を感じてしまったのだ。
レヴィはぺたりとその場に座り込んで、動けなかった。がくがくと震えが止まらない。
そこで、初めて知った。自分は――弱いのだと。そして、力がない者には……誰も救えないのだと。
レヴィはミオソティスを呼び止めることすらできず、ただただ連れて行かれるのを傍観していることしかできなかった。悔しさに……涙が止まらなかった。
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