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運命共同体

*** 「ラズワード様、ハル様がお呼びです」 「あ、はい……! 今いきます」  メイドがラズワードの部屋に入ってきて、ラズワードに呼びかける。荷物をまとめていたラズワードは、慌てて時計を確認した。もう、伝えられていた時刻に近い。  レグルスのときにノワールが言っていた、「やってほしいこと」。それは、早々にレッドフォード家に連絡がきて、ハルを通してラズワードに伝えられた。  内容は、悪魔狩りである。ただの悪魔ではなく、突然変異によって生まれてしまった異常に強力な悪魔らしい。一端のハンターはもちろん、神族にすらも手に負えないレベルのもので、神族たちがチームを組んで討伐にいくらしいのだが、それにラズワードも参加してほしいとのことである。 「はあ……」  憂鬱だ、とラズワードはため息をついた。そこまで強い悪魔なら、もちろんノワールもチームにいるのだろう。討伐するのに数日かかると言われているから、恐らくノワールとずっと行動を共にすることになる。 (俺、大丈夫かな……)  正直、不安しかない。ラズワードは鬱々としながら、荷物をもって部屋をでた。

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