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*** 「ああ、ラズワード。おはよう」 「……ッ」  玄関まで出て行って、ラズワードはどさりと荷物を落とす。その名前を口に出さなかった自分を褒めたい。 「ラズ、お迎え来ているから……この方に連れて行ってもらって」  玄関でハルが出迎えていたのは――ノワールだった。まさかの仮面なし、素顔である。突然に彼がいたものだからラズワードは驚いて心臓が飛び出てしまうかと思ったのだった。 (なんであんたが直接迎えに来てんだよ! そんなの下っ端にやらせろ!) 「いやあ、それにしてもお久しぶりです。レグルスのこと、いや、ほんと恥ずかしい」 「いえいえ、素晴らしい戦いっぷりでしたよ。かっこよかったです」 「みてたんですか!」 (いやいや思いっきりノワール様挨拶に来てただろ……ハル様その人が誰だか気付いてないのか)  色々と突っ込みどころ満載で、ラズワードの動揺は止まらない。落とした荷物を拾ってふらふらとハルの隣までいくと、ラズワードはじとっとノワールを睨みつける。しかしノワールはそんなラズワードの視線は気にしていないという風に、からっと笑って言ったのだった。 「じゃあ、ラズワードいこうか」 「……こ、この野郎!」

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