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会議をする部屋には、既に数名の神族が集まっていた。思ったよりも人数は少ない。少数精鋭といったところだろうか。
「あっ、ラズワードくん」
ノワールとルージュをみるなりびしっと背筋を伸ばす彼らのなかで、一人態度を変えない男。へらっとしながら自分に声をかけてきた彼をみて、ラズワードはぎょっと顔をひきつらせる。
彼は、アベル。ラズワードを捕らえるときにノワールと共にいて、そして施設でもラズワードの調教師としてたびたび関わってきた男だ。一番過激な調教をしてきた調教師でもある。
「えっと……お久しぶりです」
「一緒のチームだから、よろしく」
「……一緒?」
「今回は、二つのチームに分かれて討伐にいく」
アベルとラズワードの会話に割入ってくるようにして、ノワールが言う。へえ、とラズワードがノワールに資料を渡されながら相槌をうっていると、アベルは話を続けた。
「俺とおまえと、あとノワールさんの三人でAチームね。ぶっちゃけこっちにヤバイのまわされると思うからがんばってくれよ」
「アベル、そういうことは言うな」
「はいはい」
今回の任務は、ノワールが率いるAチームとルージュが率いるBチームに分かれて行うらしい。神族側の被害も最小限に抑えるために、本当に実力のあるものだけが携わっていて人数も少ない。ノワールが今回の作戦や悪魔の情報について話しているのを聞きながら、思った以上に過酷な任務らしいとラズワードは気を引き締める。
「わざわざレッドフォード家に頼み込んでおまえを任務に引き入れてるんだ、結構期待されてるからほんと頑張れよ」
「……なんで俺、そんなに」
「魔力量、神族よりも上らしいじゃん。それに戦闘術はノワールさんに手ほどきされたんだろ? 今回の任務失敗すると、みんなの命が危険に晒されるからな、こっちも必死なんだ」
こそこそとアベルに話しかけられながら、ラズワードは自分の責任の重さを感じはじめて、気が重くなっていった。
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