＊＊＊ 　ああ、どうしよう。革命に参加するということを、ハルに言うべきだろうか。言うべきだろうな。でも、どう言えば良いんだろう……。 　レヴィとのやりとりを思い出しながら、ラズワードはようやくレッドフォード家にたどり着いた。ハルに無断で革命への参加を決めてしまったことが後ろめたくて、いろいろと寄り道をしていたから、帰りは遅くなってしまった。どんよりと重い脚で門へ近づいていったところで――ラズワードはぴたりと足を止める 「……来客」 　門の前に、黒い高級車が止まっていたのだ。特に誰かが来るとは知らされていなかったラズワードは、今は中に入らないほうがいいかと考える――が、その高級車に刻まれていたある物を見た瞬間、驚きのあまり飛び上がって慌てて門を開けて中へ入っていく。 ――車に刻まれていたのは、マクファーレン家の家紋だ。レッドフォード邸に、マクファーレン家の者――レヴィが来ている。彼が一体何の要件で来たのか一瞬で判断がついてしまったラズワードは慌てて城の中へ飛び込んでいった。