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第24話
「……する」
いつもは涼しい顔をしている泰士が、熱を持った瞳で顔をしかめた。
αのフェロモンがふわり、ふわりと立ち昇る。
この状況はちょっと、いや、かなりヤバい。
尻の割れ目から、とろりと体液が流れる感触があった。
濡れ始めてる。ということは泰士に発情してるんだ、俺。
なんで?薬ちゃんと飲んでるのに?
あぁ、それより、シたい。
セックスしたい。
でもここは学校だし、ここでヤっちゃったら、この後どうするつもりだよ。
いや、しかし……。
泰士との初エッチは校内だったよな。
あの時だってなんとかなったんだから、今回もきっとどうにかなるだろ。
理性と本能が僅かにせめぎ合うも本能がちっぽけな理性を遥かに凌駕し、最早頭の中は泰士との初体験を思いだし、快楽の花畑と化していた。
少しの間をおき、俺は節操もない問いを泰士に投げ掛けた。
「……する?」
「は?だから、するって言ったじゃん」
「どこで?」
「は?」
「5限、サボってもいいよ、俺……。お尻、ぬるぬるしてきた」
「……なっ、そっちの話かよ!つうかお前薬飲んでんだよな?薬飲んでもこんな風に発情するもんなのか?」
「俺だってそんなのわかんねぇよ!けど体が勝手に……。あ、んっ、また溢れたっ……!ちょっと見ろよこれ……」
俺は泰士の正面で背中を向けて膝をつき、腰を少しだけ上げて見せた。
間違いなく濃いグレーのスラックスの臀部は濡れてシミになっているだろう。
「う、わ、エロ……」
「あ、やっ」
スラックス越しに割れ目部分を泰士の指でつうとなぞられ、ぴくんと背中が痙攣した。
背後から泰士の溜息が聞こえた。
「……5限、サボってもいいぞ秀哉」
「ど、どうする?どこでヤる?」
「じゃあ……屋上?」
「え!校舎の窓から丸見えじゃん」
「死角を探す。雨だしヤってる最中のフェロモンも霧散するから丁度いい」
「誰にも見られない?」
「見られないように……する」
食べかけの昼食を屋上手前の踊り場の隅に置き、泰士に手を引かれて屋上へ出た。
すると出て直ぐに泰士が俺を後ろ向きにひっくり返し、俺はドアに手をつくことになった。
「ここで。ここなら屋根あるし俺が後ろからヤって秀哉を隠せば、雨だし遠目から見えたとしても何してんのかまではわかんねぇだろ」
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