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第23話

泰士ががくりと項垂れる。 「泰士はさ俺のこと好きなのか?」 「っ……」 泰士が驚いた顔をして俺をみている。 なんで驚くんだよ……。 重要なのはそこなんだ。 俺は恋愛したい。α漁りしてしまう疚しい本能には抗えないけれど、誰でもいいというわけではない。 「友達でいたいって言ったのは秀哉だ。そこを今無理強いするつもりはない。でも本当は秀哉を独り占めしたいと思ってる」 「独り占め……」 泰士は言葉を選びながら話しているような気がした。 それでは真意は伝わらない。 「前にも話したように俺は入学当初からお前のこと可愛いなって思ってた。お前のバース性は知らなかったから今思えば無意識にだとは思うけど、俺、他のαの傍には秀哉を近付かせないようにしてたみたいだ。エッチしてからますます秀哉が可愛くて、秀哉のこともっともっと知りたいって思ってる。出来れば俺の両親に紹介したいくらい。秀哉が嫌がるから……言わないけど、俺の気持ちは今の話から汲み取れよ」 「汲み取れって……」 はっきり言ってないけど、俺今告白されてるよな。 告白じゃなかったら一体何なんだって話だ。 俺は慌てて顔を伏せた。 ヤバい。こんな顔見せられない。 っていうか今まだ発情期終わってないし、薬飲んでたとしても興奮すればフェロモンは立ち上る。 じわじわと熱が首から上へ昇ってくる。 下腹の下、奥までもがじん……と疼いた。 「……」 「秀哉?」 泰士に顔を覗き困れ、潤んでしまった表情が隠せない。 多分、俺、今相当Ω丸出しの顔してる。 αに口説かれて物凄く浮かれてる。あわよくば、このままセックスに雪崩れ込んでもいいって思ってる。 やばい、どうしよう。 内心大慌てで狼狽える俺の顔に泰士の顔が接近する。 避ける間もなく、唇が重なった。 泰士の唇は温かかった。 軽く触れて、名残惜しそうに離れていく。 「っ、泰士っ」 「お前、そんな可愛い顔すんなよな。こっちだってラット抑制してるけど、それでもΩのフェロモンには勝てねぇんだから。言ったそばから秀哉のフェロモン漏れてるし」 泰士が俺の耳元ですん、と鼻を鳴らした。 「俺のせいにすんなよ!っていうか、なんでキスなんか……。あーもうっ、エッチしたい。ちんこ勃った。それに……お尻むずむずする」 「おま、可愛い顔してちんこ勃ったとか言うなよ。興奮すんだろ」 「興奮する?」 じっと泰士を上目遣いで見詰める。 俺は今無意識に泰士を誘惑しているのかもしれない。 泰士からだってαの美味そうなフェロモンがさっきより濃く出ていて、このままじゃ尻が濡れて制服にシミができそうだ。

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