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「沙良ちゃん、ほんと淺羽先生好きだよね」
「だって裁判官だろ! かっこいいじゃん!」
「まあ、沙良ちゃんは裁判官、本気の本気で目指しているんだもんね」
授業が終わって、結月がため息をつきながらそんなことを言ってくる。
沙良は、「淺羽先生に憧れるのなんて当然じゃん」なんて、そう思っている。この、裁判官になるための学校でも、収入が高いからという理由で裁判官を目指す生徒は少なくないため、皆が皆、裁判官に強い憧れを抱いているわけではない。しかし沙良は、この学校にはいる前からずっと、本気で裁判官になりたかった。悪いことをする魔女を自分の手で裁きたかった。テレビとかでしか見る機会のなかった裁判官に、この学校では授業を受けることができる。沙良が淺羽を敬愛するのも、仕方のないことだった。
「ま、がんばって次こそは生徒会長目指しなよ。波折先輩を抜くのは難しいけどさ、生徒会長になったら裁判官にぐっと近づけるもんね」
「おう、がんばる!」
結月はへらっと笑いながら沙良の肩を叩いた。結月自身はそこまで裁判官になりたいというわけではないらしいが、沙良のことは応援してくれている。そんな彼の言葉をありがたいと思いながら、沙良も笑顔を返すのだった。
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