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「ぶっは、沙良ちゃんなんでいちごみるく?」
「……会長の野郎が」
案の定、教室でいちごみるくを飲んでいると周りのクラスメートに笑われた。別に男子がいちごみるくを飲もうがおかしいことではないと思う。ただ、華奢というわけでもない体格の沙良が、可愛いパッケージの紙パックのいちごみるくを飲んでいるという絵面は、あまり良くないものだったのだろう。
「沙良ちゃん、いちごみるく美味しい?」
「美味しいデス」
「ヨカッタデスネー!」
「うっぜえ! 会長まじあいつ!」
いちごみるくに罪はない。いちごみるくにハズレはない、普通に美味しい。ただ波折がむかついて仕方ない。いや、こんなことにそんなに腹をたてる必要はない。ただただ、自尊心をことごとく傷つける、波折の存在自体が気に食わなかったのだ。
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