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*** 「はあ……はあッ……」  がむしゃらに、走る。生徒会室を飛び出して、校舎から出て……それからも沙良はずっと走っていた。  なんてことをしてしまったんだろう。頭のなかはその想いだけでいっぱいだった。  自分がしたことは、レイプなのだろうか。でも、はじまりはあっちが人の身体を使って自慰なんてしているからで。いやそもそも、あの態度の変わり様は一体なんだ。チョコレートを食べた瞬間から急に発情しだした、なんてそんな馬鹿みたいな話が。 『しんどうくん……』  甘い声で自分の名を呼ぶ波折の表情が、脳裏に浮かぶ。あれは夢とか、そんなものじゃないのか。あの波折があんなに淫靡な姿をするのか。  明日から、どんな顔をして彼に会えばいいのだろう……。  自分が悪いことをしたのかどうかもよくわからない状況。沙良はとにかく明日からのことが不安で、何も考えたくなくて、ひたすらに家までの道を走ることしかできなかった。

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