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第六章

***  棚の上にはずらりと賞状やら盾やらトロフィー。机の上には小中学生のときに成績が一番になったお祝いに買ってもらったゲームが置いてある。 「……これが限界かなぁ」  パソコンをじっと見つめながら呟いたのは、鑓水。学校が終わって家に帰ってきてから、ずっとこうしてパソコンの前に座っていた。別にネットが趣味であるとか、そういうわけではない。いつもは誰かと遊びにいったりするのだが……今日は、どうしてもパソコンを使ってやりたいことがあったのだ。  画面には、画像編集ソフトが開いてある。そして、編集しているのはーー例のアダルト動画のスクリーンショットだ。モザイク処理を外しているのだが、完璧には元の顔を表示できない。しかし――なんとなく、目や鼻、口のパーツの形や髪型が浮かび上がっている。 「……やっぱり、あいつそっくり」

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