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第十二章(2)

「やっ……!? やぁっ……ふたりで、とか……だめぇ……!」 「先輩、どっちが上手!?」 「わかんない、よっ……あぁんっ……! あっ、だめっ……やぁっ……ふ、ぁあんっ……!」  二人同時に責められて、波折はいつもよりも激しい反応を示した。沙良が思わぬ行動にでたことに鑓水は内心感心してしまう。そうだこいつは「ご主人様」から波折を救うためにと真正面からぶつかっていこうとしていた奴だ。思考回路はわりと単純で、喧嘩を売ればのってくるタイプだろう。……面白い、鑓水はそう思った。どっちが波折の心を射止められるか勝負しようじゃないか。 ――そして波折は俺達の愛に溺れてどろっどろになっちまえ。 「あっ……けいたっ……!?」 「波折は感じてればいいんだよ」 「ひゃっ……」  鑓水が波折のベルトを外して、スラックスと下着をおろしてしまう。そして、勃ちあがった波折のものを掴んで、親指で濡れた先っぽをくりくりといじくってやった。  びくんっと跳ねた波折をみて、沙良が恨めしげに鑓水を睨む。指でいじめていた乳首を今度は口でぱくりと咥えて吸い上げてやる。フリーになった手の片方は背中を撫でまわし、そしてもう片方は臀部へ。窄みをくるくると指で撫でて、つぷりと挿入してゆく。 「やぁあっ……! そんなぁっ……だめぇ、あぁっ……!」 「波折、ほらもっと喘げよ」 「先輩……気持ちいい?」 「きもちいいっ……あぁあっ……おかしくなっちゃう……! やぁーっ……!」  がく、がく、と波折の身体が震える。それを二人でガッチリと支えながら、全身を同時に弄り倒してやる。強烈な独占欲、そして恋情、強い強い二人の想いが絡み合って波折を雁字搦めにしてしまう。 「はぁっ……あぁあ……あっ……あっ……あっ……」  頭のなかがびりびりとする。二人から同時に愛されて、どうしたらいいのかわからない。耳孔に舌をねじ込まれ、乳首は片方を引っ張られながらもう片方はちゅうちゅうと吸われ。そしてペニスとアナルを同時に刺激される。腰がガクガクになっているのに座り込むこともできない。 「先輩……昨日教えてくれたところ、いっぱい弄っていますよ。気持ちいいですか?」 「あぁっ……きもちいいよぉ……おしりのなか、とけちゃう……あぁん……」 「おまえどんだけカウパー出してるんだよ。びっしょびしょなんだけど。二人から責められて感じてるとかこのド変態」 「ごめんなさい……おれ、へんたいです……やぁあっ……ああっ……ぐちゃぐちゃにして……あぁん……」  はー、はー、と波折の息が段々と荒くなってゆく。沙良の指を呑み込んだお尻のなかがきゅうーっとどんどん締まっていって、そして身体ものけぞってゆく。ふる、ふる、と波折が首をふったが二人は愛撫をやめない。 「いくっ……いく、……いく、いく……あぁ……いくっ……イッちゃう……あぁーッ……!」  ガクン、と波折の腰が大きく跳ねた。ぴゅくぴゅくとペニスから精を吐き出して、そして腰が抜けたように倒れこむ。二人が慌てて身体を支えてやれば、波折はくったりとして虚空を見上げていた。 「あ……あ……」  ぴく、ぴく、と波折の身体が小さく震えている。恍惚とした顔で呆けている波折を、二人はじっと観察するように見下ろした。露出した下半身やら腹やらがやっぱりいやらしくて、波折の身体つきは見ているだけでムラムラとしてくる。もじもじとしているその脚の間に割入っていってペニスをぶち込んでやったらきっともっといやらしい反応をするんだろうなあ、なんて思うとドキドキと胸が高なってくる。独占したいなあ、この甘くてとろっとろの視線を自分だけにむけてくれたら最高なんだけどなあ、なんて沙良と鑓水は声に出さずとも同じことを考えていた。 「波折ィ、かっわいいなあ、おまえ。顔こんなに蕩けさせてさ」 「先輩……可愛すぎです……」  波折はぼーっとしながら自分をひたすらに愛でる二人を見上げる。  最高に満たされた気分だ。欲を言えば、二人に交互にペニスを挿れられて中出しをいっぱいされたかった。もっともっと、この身体を愛して欲しかった。二人の強い想いを浴びせられたかった。 「……も、っと……して……」  はー、はー、と息を吐きながら波折は睦言のように甘く呟いた。あんまりにもいやらしい格好をしながらそんなことを言われて、二人の理性は陥落しそうになる。しかし……今は時間が迫っている。鑓水は波折を起こしてやって、立ち上がった。 「波折」  ふらふらとしている波折に、鑓水が声をかける。ゆら、と顔をあげて波折が鑓水をみつめれば、その唇の端が釣り上げられる。 「おまえのこと、めっちゃ幸せにしてやるからな」 「……、」  波折がぼんやりとしていると、二人の前に沙良が飛び出す。そして、波折の手を握って懇願するように言う。 「……愛しています、先輩のこと、絶対に救います……!」  沙良がちゅ、と波折に口付けをすれば、鑓水が「ずるい」と言って沙良をはねのける。口論をする二人に抱えられながら、波折は引きずられるようにして校舎へ運ばれていった。

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