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***  波折は家を出て行くと、しばらく離れたところにある駐車場に向かう。人通りの少ない暗闇のなか、波折は目当ての駐車場にたどり着くと見慣れたナンバーの車へ向かっていった。車窓をノックして扉を開ければ……彼がいた。 「……ご主人様。二人で会うの、久々ですね」    車の中にいたのは、鑓水の読み通り「ご主人様」だった。車の中に入ったときからその中に漂う独特の匂いにあてられて、波折はぽやんとした顔をしている。「ご主人様」に調教されつくした波折の身体は、「ご主人様」の匂いを嗅ぐだけでも発情するようになっていた。久々なのだから、その熱はとてつもなくて、波折はお尻の穴がきゅんきゅんとしてしまっているのをこらえていた。 「波折。鑓水くんと神藤くんに、大分愛されているみたいだね」 「……はい。たくさん可愛がってもらっています」 「どう? 彼ら。何か変わりはない?」 「……ないと思います」 「そうか。おまえは人を魅了してしまうからね。おまえの側にいる奴はもれなく、本能が引き出されてしまう。彼らもきっとそのうち、みせてくれるさ。内に秘めたエゴイズムってやつをね」  男はふっと笑うと波折の上にのしかかってきた。「ご主人様」に迫られて、波折はわっと顔を赤くする。身体の内側からじわっと一気に蜜があふれ出すような感覚を覚えて、ぴくぴくと震えだした。 「毎日、抱いてもらっていたか?」 「はい……たくさん……エッチなことしてもらっていました」 「そうか。じゃあ波折の可愛い身体は衰えていないな。でも、俺の身体の味、そろそろ忘れてるんじゃないか?」 「そんなこと……」 「調教し直しだ。もう一回、マーキングしてやんないとな」 「あっ……ご主人様ぁ……」  男はにたりと凶悪に笑う。それを見ただけで波折はゾクゾクとしてしまって、アソコをびしょびしょにしてしまった。男はポケットからチョコレートを取り出すと、それを波折の口に入れてやる。 「あっ……あぁっ……」  ガク、ガク、と波折が震える。一気に体温があがって、おかしくなってしまいそうになった。男は朦朧としはじめた波折を見つめ、ふふ、と笑う。ぎゅっと波折を抱きしめて、その状態でじっと動かない。 「んっ……あっ、あぁっ……やぁっ……ご主人様……!」  ただ抱きしめられているだけだというのに、波折は甲高い声をあげてもがいた。匂いにあてられたのだ。久々に嗅いだ「ご主人様」の匂いを、抱きしめられることでたっぷりと吸ってしまって、感じている。 「ご主人様ぁ……やぁ、匂い、……ご主人様の匂い……」 「ん? 大好きだろ? 俺の匂い」 「好きぃ……ご主人様の匂い、大好きぃ……」  波折はうっとりと目を閉じて、男の背に手を回す。びくんっ、びくんっ、と揺れ動く身体は全身が性感帯だ。男の熱を感じ取る全身で、波折は感じていた。たまらず、腰を自ら振って股間を男に擦り付ける。服の中でぬち、ぬち、と濡れたアソコが擦れて気持ちいい。 「あっ……あふっ……んん、あぁん……ご主人様ぁ……」 「おー、おー、波折。可愛いなぁ。俺の身体がそんなに恋しいか」 「ご主人様ぁ……あぁん……さわってぇ……」  かく、かく、と腰を振りながら波折は男に甘えるように肩口に顔をぐりぐりとする。匂いのせいでじわじわと感じているのに、男は抱きしめてくるだけでなかなか触ってくれない。焦らしに焦らされて、波折は脳みそが溶けたような心地になった。自らぐりぐりと腰を男に押し付けて、必死に快楽を得ようとする。はやく、はやく触って、と涙目でそんないやらしい行動をとった。 「波折? どうしたんだ、腰なんてふって」 「アソコがじんじんして熱いです、ご主人様ぁ……さわってください……」 「ん? 触るだけでいいの? 何して欲しいのかもっと言ってごらん?」 「あぁん……おっぱい、いじめてください……ちくびこりこりして吸ってください……あとおれのおまんこ、くちゅくちゅして欲しいです……おまんこのなかにご主人様のおちんちんぶち込んでください……」 「あはは、贅沢だねぇ」 「ご主人様ぁ、おねがい……身体が熱いよぉ……はぁっ……ん、……ご主人様ぁ」 「しょーがないなぁ、波折は」  男は身体を起こすとにっこりと笑って波折を見下ろす。はー、はー、と息を吐きながらとろんとした顔で見上げてくる波折に、愛おしいといった視線を送れば波折は更に発情した。小さく唸りながら、腰を必死に男に擦り付ける。自分の身体を使ってオナニーをされていると気付いた男は、くすくす笑って囁いた。 「いいよ。いーっぱい波折の身体イジメてあげる」 「んんーっ」  男が波折の唇を奪う。その瞬間、波折は達してしまった。ガクガクガクガクと腰を震わせながら、アソコをさらに濡らしてゆく。

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