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熱気の篭る車内。男は半裸の波折に覆いかぶさり、ひたすらに波折の顔にキスの雨を降らせる。波折はぼんやりとしながらうっとりと男のキスを受け入れる。
「久しぶりだな、波折……やっぱりおまえは可愛い。可愛いよ」
「あ……ん……ご主人様……」
「これからあんまり会えないなぁ、鑓水くんと神藤くんに可愛がってもらうんだぞ」
波折は、はあはあと吐息を吐きながら、男の背に腕をまわし、ぎゅっと抱きついた。目を閉じ、掠れ声で言葉を紡いでゆく。
「沙良も……あの動画のこと、気付きました」
「ふうん? どんな反応したんだ?」
「やめろって。ご主人様から離れろって……」
「鑓水くんはそんなこと言ってなかったのにな~。ほ~」
「俺のことを、根幹から自分のもとに引っ張ろうってするんです……」
波折の手が、ふらりと動く。指先が男の頬を滑ると、男が顔をあげて波折のことを見下ろした。波折はふっと気怠げに、淫靡に微笑む。
「……無理なのにね。俺は、貴方に心臓を掴まれているから……」
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