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次の朝、鑓水と波折はだらだらと朝食をとりながらテレビを見ていた。ちなみに朝食は波折の作った焼き魚定食。和食も完璧な波折に、こりゃ嫁に欲しいな~なんて考えながら鑓水はまだ覚醒しない頭でぼんやりとテレビの声を聞いていた。
『――今日ご紹介するのは~! 今一番人気のデートスポット!』
女子アナウンサーがにこにこと紹介しているのは、最近できたという水族館だった。ただ鑓水はあまり水族館に興味がない。特に理由はないが、ゆらゆらと魚が泳いでいるだけで面白みもなにもない、としか感じないのだった。しかし、波折はじっと興味深そうにテレビをみている。どうやら水族館に興味津々らしい。
「……慧太、すごいね、ここ」
「ん? そーだな」
「……あんまり興味ない?」
「えっ? あっ、波折もしかして行きたかった?」
「ううん、聞いただけ」
波折は鑓水が水族館に興味がないとわかると、それからは全くテレビに関心を示さなくなってしまう。そのポーカーフェイスがあんまりにも上手くて、鑓水にも波折の「水族館に行ってみたい」という心は見破れなかった。ただ、鑓水は女子アナウンサーが発する「デート」という響きになんとなく惹かれてしまう。
「……波折」
「ん?」
「……デートいこうぜ」
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