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「波折先輩……! おはようございます」
駅まで向かってホームから波折がでてくるのを迎えた沙良は、気合たっぷりに挨拶をする。今日の波折は深いグレーのニットを着ていた。可愛い。波折は沙良をみるなりにっこりと笑う。
「おはよう」
その表情をみて、やはり、と沙良はもやもやとする。朝も鑓水といちゃいちゃとしてきたのだろか、ほわほわと幸せオーラが漂っている。むーっとしたが、明日波折をこの顔にするのはこの顔だ、と自分自身を奮い立たせる。
「あ、あの……! 今日、一日うちにいようっていってたんですけど……えーと、昼間、少しおでかけしませんか?」
「ん、いいよ。どこいく?」
「えーと……波折先輩こういうの好きかな……昨日テレビでやってたの見て、いきたいなって思って。水族館、いきませんか」
「……水族館、」
沙良の言葉をきいて波折がぱちくりと瞬く。おや、と沙良は波折の表情に期待を持つ。興味を持っていそうだな……と思った、そのとき。波折がぱし、と沙良の手を掴んで笑った。
「いく。水族館、俺もいきたいって思ってて」
へへ、と波折が嬉しそうに笑った。とても可愛い。きゅーん、としてしまって、沙良は周囲を軽く確認すると波折にキスをする。そうすれば波折がまた笑ったから、今度はぎゅうっと抱きしめた。
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