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***  家に帰って、二人はさっと風呂に入って沙良の自室に向かった。今日もどうやら洋之と夕紀は帰っていないらしい。つくづく家に返ってこない家族だ。波折といちゃつくには丁度いいんだけど、と沙良は苦笑する。 「そういえば、夕紀からメッセージきたんですけど、明日の学園祭に夕紀くるらしいです」 「へえ……俺のクラスは教えなくていいよ」 「えー、どうしようかな。でもとりあえず、夕紀は俺の有志発表みにくるみたいで」 「ああ、なるほど」  買ってきたものを漁りながら、ぼそぼそと雑談する。袋をひっくり返せばでてくるのは、大量のアダルトグッツ。あの店の店員が男でよかった、と今更のように思い出しながら、沙良はバイブのパッケージを開けてみる。外箱を外して、電池をセットして。スイッチを入れればぶーん、と震えだした。沙良はいたずらっぽく笑いながら、それを波折の胸に服の上から押し付けてみる。 「んっ!」 「可愛い声」 「……いきなり、ずるい」  えい、えい、と乳首をぐりぐりしてやれば、波折が顔を赤らめる。波折は感じながらもくすぐったそうに笑いながら、自分もローターを手にとってスイッチをいれると沙良の股間に押し付けてくる。 「ぎゃっ」 「おかえし」 「それは、卑怯です」  ふたりでわちゃわちゃとおもちゃを使ってくすぐり合っていると、沙良のなかに徐々に波折をいじめたい衝動が湧いてくる。「んっ、んっ、」とまだまだ可愛らしい声をあげている波折にもっと余裕のないはしたない乱れ方をさせたくて、そろそろ、と沙良は波折の服を脱がしにかかった。 「あっ」  波折の服を脱がせるのも、大分慣れてきた。あっという間に裸に剥いてやって、波折をベッドに転がしてやる。ころんとシーツの上で丸くなる波折に覆いかぶさって耳元にキスをしてやれば、波折がくすくすと笑いながら「あっ……」と甘い声を唇から漏らす。可愛いな~、と乳首なんかもこりこりと弄ってやると、本格的に感じてきたのか波折の表情が蕩けてゆく。 「じゃ、先輩。そろそろ猫になろう」 「ん……」  よいしょ、と沙良は手を伸ばして首輪を手にとった。SMプレイなんかで使われるような、鎖のついた赤い首輪。波折の細首につけてみると……すごく、似合っていた。波折の手を引いて起こしてみて、沙良はその姿をまじまじと見つめる。つるつるの白い肌、胸元のピンクの乳首。そして赤い首輪とそこからぶらさがる鎖。すっごくすっごく、可愛い。軽く鎖を引っ張ってみると、「んっ」と可愛く鳴いてぎゅっと目をとじる。嗜虐心をがんがん煽られて、沙良の心に火がついてゆく。 「さら……」 「……すっごい、イジメて欲しそうな顔してる……先輩」 「うん……」  鎖を引っ張りながらその顔を覗きこめば、波折は期待に満ちたような瞳をして薄く唇を開きはーはーと息を吐く。なんでこの人はこんなにひどいことしたくなるような表情ができるんだろうなー、と苦笑しながら沙良は猫耳カチューシャを波折にかぶせてやった。 「んー……やっぱり可愛い」  沙良は別に猫耳に萌えたりなんかはしない。むしろそんなものつけている女子がいたらほっぺを叩きたくなる。でも、実際にこうして好きな人がつけているのを見ると……悪くないな、と思ってしまった。ふさふさとした猫耳が上手い具合に首輪のアブノーマルっぽさを緩和して、全体的に可愛い雰囲気をだしてくれる。……とはいっても変態臭いことには変わりないが。 「ねー、先輩」 「んー」 「今から、「にゃー」しか言っちゃだめですよ」  沙良が命令すると、波折はぱちくりと瞬いて、そして「にゃー」と鳴いた。かわいい、と波折の顎を撫でてやると、気持ちよさそうに目をとじる。ああ、この可愛い猫を好きにしていいんだと思うと、ものすごく興奮した。顎とか、頬とか、頭とか、いろんなところを撫でてやると嬉しいのか顔をとろんとさせてくるのもまた堪らない。波折はもっと優しい意地悪をしたいなあって思わせる天才だと思う。  沙良は買ってきたおもちゃの封を全部切る。そして、まず、ローターを両方の乳首にテープでくっつける。手首にはふわふわのついた手錠。最後に例のしっぽつきバイブをお尻にいれる。装着しただけてもものすごくいやらしくて、波折はふるふると期待に震えながら顔を赤らめている。ぞくぞくしてくる。沙良は首輪の鎖を手に持ちながら……ひとつひとつ、おもちゃのスイッチをいれてやった。 「あっ……んっ……!」 「先輩。鳴き声」 「……っ……にゃっ……」  ぴくぴくっ、と波折がのけぞりだす。ぱたりと沙良の膝の上に倒れこんで、そして丸くなってしまった。ぶーん、とおもちゃの無機質な音が聞こえてきて、それに波折の鳴き声が混ざる。 「にゃー……にゃっ……にゃあっ……ん、にゃあっ……」  膝の上で、もじもじ。本当に愛猫みたいだ。沙良は猫を撫でるように自分の膝の上で悶えている波折の頭を撫でてやる。

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