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外はすっかり夜になっていた。鑓水と波折は、淺羽の車で、波折の家に向かう。波折は泣きつかれたのか、鑓水に寄り添ってすうすうと寝てしまっていた。
「鑓水くん。本当に良かったよ、君は俺の思ったとおりの決断をしてくれた」
「……あんたのために仲間になるんじゃない。波折のためだ」
「あはは、結構結構」
車を運転しながら、淺羽が話しかけてくる。波折のことしか眼中にない鑓水にとって、彼の言葉は煩わしいばかりであった。上の空で彼と会話を交わす。
「防御魔術で一番優れている君が、こういう決断をした。だから、攻撃魔術で優れたあの子がどういう決断をするか……それも俺は興味があってね」
「……攻撃魔術?」
「波折はね、あの子のことをこういうことに巻き込みたくないらしくてイヤイヤ言っているんだけど……あの子が君みたいに究極の決断を迫られたときにどうするのか、すっごく気になって」
信号が、赤になる。車が止まる。
淺羽が、振り向いた。鑓水はぎゅ、と波折の手を握って、淺羽を見つめ返す。
「鑓水くん。俺ね、神藤くんにとっても興味があるんだ」
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