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波折が、15歳になった。無事、ジャッジメントスクールに入学を決め、それと同時に波折は家をでていくことにした。もともと家に家人が帰ってこないような家であるから引っ越す必要もないが、やはりふたりきりになれる家は欲しい。色々と不便だ。
高校生にもなると、中学のころよりも色気づいた子供たちが周りにたくさんいる。ずば抜けた容姿をもつ波折は、あっという間に学園の王子様などと言われもてはやされるようになったらしい。そして、秋になると波折は一年生にして生徒会長になった。学園創立以来の快挙に、さらに波折を称える声は増えてゆく。
波折が一年のときの生徒会のメンバーは、俺にとってはあまり魅力のないものだった。生徒会は学園でも魔術の成績がトップの者が集まるらしいのだが、成績をみた感じは、ほかの生徒と大差ないように思えた。生徒会のメンバーは男が波折を含めて三人、女が二人という構成。波折とほかの生徒よりも距離が近い彼らは、面白いことに全員波折のことを好きになった。どんな泥沼だよ、と俺は笑い飛ばしたくなったが、そこらへんは波折の好きにさせようとした。高校生らしく青春すればいいじゃないか、という俺の方針だったのだが、波折は結局誰とも付き合うことはなかった。理由を聞いてみれば、「魔女の俺が裁判官を目指している彼らの想いに応えるなんてこと、できない」だそうだ。
なんだ、おまえ普通の倫理観持っているの。
俺が命令すればなんでもするくせに、そんな一般人みたいな倫理観をもっちゃって。余計に波折は、壊れているな、と思った。
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