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第十六章
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――駅でのテロは、世間を大きく騒がせた。
テロの件で、JSは臨時の休みが入ったようだ。今後の方針についての会議が開かれたらしい。裁判官の制度自体にも見直しがはいるようで、やはりあのテロは世の中が変わっていくきっかけとなってしまったようだ。
休みがあけると、JSは不穏な空気に包まれていた。生徒の数もまばらだ。また何人か退学したり、世間が落ち着くまで休みをとる者が増えたらしい。そんな中でも、沙良はいつものように学校にきていた。何があろうとも、裁判官になろうという意思は変わっていない。
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