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Ⅱ 君の名は……③
「あほか。な訳ねーだろ!青いスズメがどこにいるっ。セキセイインコだ」
鳥に詳しいね、赤築先輩。
つか★
「ピーちゃん!!」
俺のピーちゃん
家で飼ってるセキセイインコのピーちゃんだ♪
『僕はピーちゃんではない』
僕の名は……
『77 』
はいィィィ~?!
どう見たって、インコのピーちゃんなんだけど~
でもピーちゃんは、こんなにも口達者じゃない。『おはよう』だって、まだ喋れないんだ。
『おぉめでとうぅ~!』
「何がおめでとうだーッ」
会社が倒産して、めでたい訳ないだろう!
『今日は僕の新社長就任式なんだからね』
……ピーちゃんが社長?
冗談!
『自社株の90%を買収した。この会社は結婚事業から撤退し、新たな会社に生まれ変わるよー』
「そんな勝手な事させない」
可愛いピーちゃんなのに、なんて酷い事をするんだっ。
「させないって、どうやって~?株、買い占めるつもり~」
うぅっ……そんな大金どこにもない。
「明日は壬生様の挙式なんだ!せめて明日までっ」
『やーだーねー』
なんて生意気なピーちゃんなんだ!
『でも~。僕のお願い聞いてくれるならいいよ♪』
「え、ほんと?」
飼い主がインコに頭下げる構図って、どうなんだ?
だが今は、体面にこだわってる場合じゃない。
「何すればいいんだ?ピーちゃん」
『ピーちゃんじゃなくって、77!君へお願いは……』
パタパタ
肩にピーちゃんが飛び乗った。
『僕のお嫁さんになってー♪』
えぇェェェーッ!!
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