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第12話 赤ずきんちゃんは夕焼け色に染まっていた。
赤ずきんちゃんの歩みは遅い。
でもいつもより遅くない?
「オオカミさん」
「なぁに?」
「オオカミさんの世界では……『好き』=『エッチ』なことなんですか?」
急に赤ずきんちゃんは変なことを聞いていた。
「……人間は違うんだ?」
「そうですね。こうして一緒に話をしたり、散歩をしたり……『好き』だから一緒に色々なことがしたいです」
辺りはすっかり夕焼け色に染まっていた。
色白の赤ずきんちゃんの肌の色も、上気したように赤く見えた。
「ごめんね、赤ずきんちゃん。俺が人間じゃなくて」
「それを言うのでしたら、私がオオカミではなくてすみません」
「俺はき『赤ずきんちゃん』が人間だから『好き』になったんだよ?」
「……そうなんですかっ?!」
「うん。俺は同種(オオカミ)を好きになれない」
「では、私は人で良かったです」
そう言って赤ずきんちゃんは俺に身を寄せた。
「……今度は赤ずきんちゃんのしたいこともしよう!!」
「お願いします」
「でもさ、正直に言うと『交尾もしたい』って思ってくれてるんだよね?」
すると赤ずきんちゃんは間を空けて、俯いた。
「……どうでしょう?」
「したいよね?あれだけ気持ち良くイってたんだから」
「知りません!!」
赤ずきんちゃんの顔を覗き混んでどんな顔色をしているか確認したけど、全部が夕焼け色に染まっていて、彼の表情は『複雑』としか読めなかった。
毛繕い編、完
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