75 / 87
第75話
Side玲
長い長い…………夢を見ていた気がする………………
朱雨に拒絶されたあの日…………俺は胸の痛みに耐えられなくて外へ飛び出した
朱雨のあの冷たい顔に…………耐えられなくなった
嫌われるのが怖くて…………
好きだと思われていることを知られることが怖くて………………
自分は……好かれていると思っていたんだ……………
笑顔も見せてくれるようになったし、辛い時は辛いと正直に言ってくれるようにもなった
信頼もしてくれていたと思う………………
だから、勇気をだして迫ったんだ……………………
なのに…………帰ってきた反応は拒絶だった
どこかでそりゃそうだ……と思っている自分もいる
あんなに昔、朱雨と仲が悪かったのに好かれるはずがない、と………………
だが……………………どうしても好きになって欲しかった………………
朱雨を………………愛してしまったから…………
俺は………………ひたすらに走り続けた………………
朱雨のいないところに逃げたくて…………
朱雨を忘れたくて……………………
だから…………気が付かなかったんだ…………
目の前にトラックが迫っていたなんて…………
ともだちにシェアしよう!