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第84話

「頼む、朱雨………… 話をしよう…………」 「無理…………帰ってよ…………」 あの日…………玲が出ていった日から俺の心はボロボロだ 玲は俺にすきだと伝えたくせに………………もうやめだ……ととても冷たい目をして出ていった なのに…………今更戻ってきて話がしたい? あの日、俺がいくら呼び止めても振り返ってすらくれなかったくせに? 「頼む……朱雨」 「今更!都合よすぎだよ! お前がいなくなって、俺が、俺が…………」 どんな思いしたか知らないくせに………… もう恋なんてしたくない どうせ受け入れてもらえないんだ 好きだと言った君ですら離れていった………… もう…………いやだ……………… 「いやだ、もうやだ………… 玲なんか、大嫌い……」 「朱雨……話だけ…させて…………」 「っ!……帰って!」 俺は玲を突き飛ばし玄関から追い出した 玲はさっきのように無理やり入ってくることなく、あっさりと玄関から出ていった もう聞きたくない、好きだとか、愛してるとか…………もう嫌だ……………… 「…………朱雨?どうした?」 「……っ、慰めて…奏多…………」 「…………こっちこい、慰めてやる」 いつまでも俺はこのまま…………君ではない人に抱かれる……………… 玲、俺は君が好きだけど……………… 君のものにはならないよ………………絶対に…………

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