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第2話《父との対面》
『先生さようなら~』
『また明日~』
元気な声が飛び交う小学校、午後の教室…
本日の時間割は終了して、家に帰る子や残って友達と話している子で、雑然としている。
アキラとコウジは同じクラスで、日本人離れした髪色の二人なので…見た目はかなり目立っている。
しかし、性格は正反対の二人…
コウジは明るく友達も多い、なので、学校に残って友達と過ごしたいタイプなのだが…
アキラは同級生と仲良くしているのを見たことがないくらい孤立している…
それでも別段、寂しそうな雰囲気はなく、つねにマイペース。
当然、授業が終われば、さっさと帰ってしまうのだ…
「コウジ、アキちゃん帰っちゃうよ…」
友達と話しをしているコウジに話し掛けるのは、コウジの一番の友達、工藤たくみだ…
アキラを気にしているが…
「もう、ほっとけばいいよ、ボク、知らない…」
コウジはフンと言い返す。
「でも…」
たくみが呟くと…
「…もう!仕方ないな!」
やはり少し気になるのか、不機嫌に言うと…話していた友達にバイバイして、たくみと共にアキラの後を追う。
すたすたと一人で歩いて帰るアキラ…
その10メートル後ろぐらいをコウジとたくみが仲良く帰っている。
なぜ、コウジたちがアキラの様子を気にするのかというと…
アキラは見た目とその性格上、よくイジメに合いやすいから…それから守るため…
しかし、コウジにしてみれば、自分勝手で、人を馬鹿にしたような態度のアキラはいじめられて当然!
はっきり言って嫌いなアキラなんかを助けたくない…
そんなふうに思っているのだが、それでも健次先生に、身体の弱いアキラを助けてあげるようにと頼まれているので仕方なくコウジはアキラを助けているのだ…
そして今日も、いつものいじめっ子数人がアキラにからんでいる。
「……」
アキラはいつものように無視…
しかしコウジたちは、すぐに助けに入らない…
いじめっ子たちが暴力に訴えてきたときだけ止めることにしているのだ。
なぜかは、口で言いあってるうちはどっちが悪いかわからないくらいアキラが生意気だし、助けたって素直にありがとうも言わないアキラだから…
「あ、コウジ…!」
地面を眺め、アキラのことをやや腹立たしく思っているコウジに、たくみが慌てた様子で呼ぶ…
「あ…」
顔をあげてみると…
「痛っ離せ!」
いじめっ子の一人が、アキラの髪を力一杯引っ張っている。
よろけて転ぶアキラ…
「…いこう」
やれやれと思いながらもアキラのもとへ急ぐコウジ。
「これ、かつらじゃねーか?取れ取れー」
「なんでそんな色の目してるんだよ、宇宙人?」
いじめっ子たちは、アキラの淡い栗色髪と深緑の瞳をからかうように笑っている。
「ッお前ら馬鹿?頭おかしーんじゃねーの!」
アキラも負けず言い返す。
ムカついてアキラをツネったりする子たち…
そこへ割り込むコウジとたくみ。
「いい加減にしなよ、ボクだってアキラと似たような髪してるだろ!見た目でいじめるんなら、ボクにもしてみなよ!」
いじめっ子数人を睨みつけ、強く言い切るコウジ。
「またきた!逃げろー!」
コウジが何度も助けにくるので、いじめっ子たちも顔見知りだ。
「弱虫ー、ばーか!」
アキラにそんな言葉を言いながら走って逃げていくいじめっ子たち…
アキラは黙ったまま起き上がる。
たくみは大丈夫?とアキラに寄っていくがアキラはそれすらも煩そうに…
「出てくんな、余計なお世話なんだよ」
発せられた言葉はお礼とは掛け離れた言葉…
優しくされることから逃げているような…そんな風にも聞こえる言葉…
「別に!ボクはアキラを助けたつもりはないよ、ただ、あいつらの言ってることがハラ立ったから…言い返しただけだし!ボクはアキラみたいにイジメられないからね!」
コウジもツンと言い返す。
仲の悪い兄弟…
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