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4 アイスを買いに

風呂も晩御飯も終わった俺たちはそれぞれパジャマと部屋着に着替えてゆったりモードに突入していた。しかし、ここで俺は重大事項を思い出してしまう。 「燃えるゴミ出してない!」 「こんちゃん何やってるのー」 「ちゆゴミ出しに行くぞ!」 「着替えちゃったよー?」 「下だけ明日のズボン履けば大丈夫!いくぞ!」 「はいはい、もう~」 千幸にズボンを履かせゴミを持って家を出る。さすがに5歳児を一人で家に残すわけにはいかない。 「鍵はもちましたか~コンチさん」 「持った持った」 「めんどくさいな~」 「そういうなって。じゃあ、ついでだしコンビニ寄るか。アイス買ってやるよ」 「アイス!?やった~。そうこなくっちゃ!早くいこ~?こんちゃん!」 燃えるゴミの袋を持ち夜の道を歩く。ゴミステーションはアパートの敷地内にあるからすぐに着く。扉を開けてごみを出してから、千幸とコンビニへ向かう。千幸が来てから夜に出歩いたことなんてほとんどなかったから何か新鮮な気がする。 「ちゆアイス、なにがいい?」 「う~ん、パッキンアイス!ちゆがブドウ買うからこんちゃんは普通のね!分けあいっこしよ!」 「えー、ちゆが俺の分まで決めるのかよ~」 「じゃあ、なにがいいの?」 「う~ん、パッキンアイスかな~、普通のやつ」 「じゃあ、いいじゃん。こんちゃんはパッキンアイスの普通のやつでちゆがぶどう!」 「あ、でもチョコアイスもいいな~。ソーダ味も美味しいし…」 「えー、はっきりしないな~」 そんな会話をしながらコンビニの自動ドアをくぐる。 「らっしゃぃやせ~」 気だるそうに礼をする店員。 深夜帯に近づけば近づくほどコンビニ店員の態度は悪くなる。結構気に入っている。 「アイス!アイス!」 「あっ、こら走るな!」 「こんちゃん抱っこ―」 アイスケースの高さは大人が見やすい腰の高さだ。千幸には高すぎる。 「はいはい、よいしょっと…あれ?パッキンアイスのブドウのやつないな…」 「あー、ほんとだ~…じゃあ、ちゆがパッキンアイスでこんちゃんはチョコのやつね…」 「勝手に決めるなよ~」 「じゃあ何がいいの?」 千幸が楽しそうに聞く 「チョコかな~」 「やっぱりね!こんちゃんはチョコにする気がしてた!」 二人で笑いあいながらレジへとアイスを運ぶ。 「あ!ちゆおりる!おろしてこんちゃん!」 人前で抱っこされるのを恥ずかしがった千幸が言う。 「はいはい、注文が多いお姫様ですね…」 「ちゆは~大きくなったらラプンツェルになるの~」 千幸はレジのお兄さんに話しかけた。 「らっしゃいあせ~」 店員は返事はせずテンプレート通りのセリフを繰り返した。千幸はそんなお兄さんの顔をまじまじと見つめている。 「え~二点で、ニヒャク……円です」 合計金額が聞き取れず思わずレジの電子パネルを見る。表示通りの金額を払ってコンビニを出た。 千幸はまだなぜお兄さんが返事をしてくれなかったのか不思議そうにしている。 「あのお兄さん疲れてたんだよ」 と声を掛けると 「そっか~、ならしょうがないね~」 と気を取り直したようだった。

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