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溺れてしまいそうなくらいの西日。 夕焼けに濃く浮かび上がる影法師。 迷子のカラスがどこかでカァカァ、家族を呼んでいます。 「好きだよ、僕も大好き」 柱に沿って意地悪お兄さんを抱っこしたまま九は言いました。 怖気を奮うくらい妖しげ綺麗な美丈夫の狐夫に意地悪お兄さんは見惚れる他ありません。 「九、このまま……」 孕期に先走っていた体と頭にやっと追い着いた心。 「いいの?」 九が問えばコクンとしおらしく頷いた意地悪お兄さん、色香の匂い立つ首筋に顔を埋めました。 「俺を根こそぎ……お前の嫁にして……」 「ふふ。いいよ。僕も君にすべてをあげる」 意地悪嫁を抱っこしたまま器用に板間に布団を敷いた九。 「また君と初夜を過ごせるなんて」 ゆっくりと横たえられた意地悪お兄さんは開けっ放しの障子が些か気になっているようです。 「おい、閉めねぇのかよ……?」 「気になるの?」 「当たり前だろうが、いきなり九九とか来たらどーすんだ」 夕日を湛える外をチラリと見、またすぐ真下の意地悪お兄さんへ九は視線を戻します。 「ごめんね、今は君から片時も離れたくないんだ」 茜色した赤とんぼの翅。 昼と夜の狭間で一番星が煌めき出します。 「はぁ……」 九は珍しく汗をかいていました。 やっぱり立派な狐耳が雪色の髪の間からぴょっこんしています。 「は……ぁ」 先程から色っぽいため息が止まりません。 汗ばむ肌身には浴衣が張りつき、薄紅の唇はしっとり濡れて色味を増し、人ならざる艷やか妖気がだだ漏れです。 意地悪お兄さんの純潔蜜穴を一思いに屠った夫男根。 とろとろと溢れる蜜汁を絡ませ、出来上がったばかりの肉壺を我が身でいっぱいに満たしていました。 「……なぁ、九……」 目を瞑って頭の芯から蕩けていきそうな居心地に酔い痴れていた狐夫は緩々と瞼を持ち上げます。 「二度も俺の処女奪って、今、どんな気分だよ……?」 布団に仰向けになった全裸の意地悪お兄さん。 孕期の発情で痛みは麻痺し、おかしなくらい昂ぶる蜜穴を深々と貫かれ、爪先から頭の天辺まで疼いて疼いて仕方がありません。 「このスケコマシ狐……」 それでも勝気に振舞って罵倒してくる意地悪お兄さんに九はうっとりします。 「コンコン」 戯れに鳴いてゆっくり動きます。 「う、ぅ……ン……っ」 プルプルと震えていた両足の膝を掴むと、左右に開いて空中で固定し、出来立てホヤホヤの蜜穴を浅く突きます。 「君の処女を二度も食べて、それはそれはもう、この上なく堪らない気分だよ……?」

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