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第13話 ※

 さっきは『千世にぃ』と呼んだのに、泰志は再び役に入ってしまった。それが余計に千世の胸を騒がせる。 「たいし……ん、ゃ」  千世の肌の上を泰志の手が滑っていく。全身がぞくぞくして鳥肌が立った。  心臓は、もう壊れそうなくらい強く早く拍動していて。 「そういや千世はくすぐったがりだったな。――良い反応が見られそうだ」  廉佳が放った不穏な言葉が耳にこびり付く。自分はこれからどうなってしまうのだろう。 「ひぁ…、泰志……待ってってば」  胸から脇腹を伝い足の付け根に辿り着いた手には一切の躊躇いがみられない。  来る。きっと、恐ろしいほどの官能に襲われる。  無意識の内に身体に力が籠った。 「ひ…ぁああぁあっ」  すぅっと裏側をなぞられ、悲鳴のような声が上がる。  弟にこんなふうに触られるなんて信じがたいし、嘘だと思いたいが、泰志にだったら何をされても結局は許せてしまうような気さえした。 「センパイ、俺が気持ちよくしてあげるからね」 「そんな…しなくていい、よ……っ」  絶妙な力加減で自身を弄られ、だんだんとそこに熱が集まっていくのを感じる。 「泰志、手をもっと上下に動かしてみな」 「こう?」 「やっ、あぁああァ!」

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