筒を作った手で扱かれ、自身が完全に硬くなる。泰志の手業は、自慰も滅多にしていなかった千世が受け止めるには巧みすぎた。 「もしかして泰志、千世の弱いとこ知ってる？」 「まさか。兄弟だから感じるところは似てるのかなーって思ってやってるだけ」 　そう言って先端を爪で抉ってくる。泰志の言う通りで、彼に責められるところはどうしようもなく気持ちよくて、勝手に腰が浮き上がってしまう。 「あぁ……千世にぃ可愛い。感じてくれてるんだね……」 （また、『千世にぃ』って言った） 　泰志は無意識なのかもしれないが、夢中になって役を忘れているようだ。 　うっとりとした様子で告げる泰志の瞳にあられもない姿の千世が映る。 （どうしよ…気持ちいいょ、たいし……） 　背徳感が消え去った訳ではない。だが、抗えない快感の波に押し流されてしまいそうだ。 「ほら。音がしてきたの、分かる？」 　泰志の手元から濡れた音がして初めて先走りが零れていることに気が付いた。 「千世、そろそろイくんじゃないか？」 「そうだね。千世にぃが俺の手でイクとこ、見たいなぁ」 「ぁああ、ァ…そ、んな……ふあ、ぁああっ」