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第51話
「あ、あの! 廉佳さんがBLを好きな気持ちはよく分かったから。ありがとう」
「そうか? まだ伝えきれてないと思うんだけど」
「そんなことないよ! 充分伝わったから」
このまま適当に切り上げれば、昨日のことは後腐れなく、互いに気にすることなく済みそうだ。千世自身、もう廉佳を咎めようとは思っていない。それよりも何だか危険な香りがして、一刻も早くこの部屋を出なければ、という念に駆られる。
「充分伝わった? ならもう少しだけ俺のBL探求に付き合ってくれ」
「え、いや僕、もう帰らないとっ」
「ちょっとだけ。ほんとにちょっとで良いから!」
(これじゃ昨日と同じになっちゃうよ……)
とうとう部屋を出ることを決めた千世は勢いよく立ち上がる。しかし廉佳の長い腕が腰に絡んできて、そのまま流れるようにベッドに座らされてしまった。そして廉佳はまた千世を足の間に挟んで座ると、大きく服を捲り上げる。
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