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第85話 ※

「ふ、たりとも…ぁ……そんな話、してないで…もぉ、やめ――ぃあ、あぁアあ」 「悪い、ちゃんとこっちに集中するから」 「千世にぃごめん。俺達仲良しのままだから大丈夫だよ。俺も気持ち良くできるように頑張るから」  このまま感じさせられたら自分がどうなってしまうのかが分からなくて、それが怖くて引き返したかったのに行為は激しさを増す一方だった。  廉佳に自身を根元から扱かれ、泰志は吸い上げているのとは逆の乳首を爪で引っかいて的確に感じさせてくる。 「あぁああ、ッ…ぁ、やっ」  汗が滲む肌に触れてくる手がどちらのものか分からないくらい千世は愉悦に浸っていた。廉佳の肩口に頭を預け、甘い声を零し続ける。  だんだん腰の奥に熱が溜まってきて、焦りに似た感情が込み上げてきた。 「ね、え……も、ほんとに……あっ…だめぇ……」 「ん? もうイきそうか?」 「出しちゃって良いよ。俺達がちゃんと見てるから」 「~~ッ、やだ…はずかし……ぁ、やあ、ぁああ」  やだやだとしか言えない自分が情けないのに、二人に見られていると意識するだけで不思議と高揚感が訪れる。限界を訴えるように自身から先走りが止めどなく溢れてきて、くちゅくちゅという音が大きくなった。 「ふぁ、ぁああぅ……も、イく――んんぁああッ!」  二人の手腕に負かされて、どろりとした白濁が繁吹(しぶ)く。頭が真っ白になりそうな衝撃に千世の身体は打ち震えた。 「いっぱい出ちゃったね」 「因みにどっちの方が気持ち良かった?」 「そんなの……わかんな、ぃ…」

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