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《番外編》アツも佳大さんも大好き‼こんな僕を愛してくれてありがとう‼

そのあと、乾先生が、二人の耳を引っ張って、待合室に連れていった。 「年子で、しかも、双子・・・なんで、避妊しないかな⁉」 そんな声が聞こえてきた。 二人とも、先生が苦手だから、しゅんと項垂れるのかな、そう思って見てたけど、奏人の前だからかな⁉ 凛々しい態度で、堂々と先生に自分達の考えを伝え、深々と頭を下げていた。 「アツ、佳大さん・・・」 戻ってきてくれた二人に恐る恐る声を掛けてみた。 「ありがとう未央。俺の子、ここにいるんだよな・・・」 膨らんでもいないぺっちゃんこのお腹を、佳大さんが優しく擦ってくれた。 「朝まで、頑張った甲斐があったな」 「ア、アツ‼」 こんな所でだめ‼ 口閉じて‼ 「今さら恥ずかしがってどうする!?奏人のママは可愛いな~」 「もう、アツのいじわる」 奏人は、アツに抱っこしてもらって、ニコニコと満面の笑みを浮かべていた。 嬉しそうなその表情に、自然と、みんなの表情も緩み、笑顔が溢れていた。 「俺らが、喧嘩しないよう、神様が双子を授けてくれたのかな?」 そんな事をアツが、照れ臭そうに言っていた。 家に戻ると、ヒーリーさんのお父さんと、ラシャさんが、これまた笑顔で出迎えてくれた。 どこから聞いてきたのか、妊娠したことを既に知っていた。 『未央~‼おめでとう‼』 ラシャさんがハグしてくれた。 『双子だって⁉』 「はい。でも、詳しくは検査してみないと・・・」 『乾先生が間違うことはないよ。佳大、篤人、私が名付け親になりたいんだが、いいかな⁉今度産まれてくる子供たちも、ラクシュマンと共に、ガーランド王国を支えるようになると思うんだ。日本との架け橋になると思うんだ』 アツも、佳大さんも、二つ返事で、ヒーリーさんのお父さんに名付け親になってもらう事を決めた。 『今日はお祝いだな』 って、ヒーリーさんのお父さん。 すごく、喜んでいた。 勿論、ラシャさんも、自分の事の様に喜んでくれた。 アツ、佳大さん、こんな気色悪い僕を愛してくれてありがとう‼ 奏人を授かって、こうして、また、新しい命を授かる事が出来るなんて、一年前の僕には、予想もつかなかった。 ずっと、笑いの絶えない、温かい家庭に憧れていた。 それが今、こうして、叶い、支えてくれる大勢の人たちが側にいてくれる。 遠く離れた日本にも・・・。 みにくいあひるのこは、幸せという名の白い羽を広げ、愛する人達と、愛しいわが子を守り、これからも、故郷となったこの地で生きていくーー。 番外編 完 ここまで、読んでいただき、深く感謝申しあげます。 このあと、未央は、6人の子宝に恵まれます。 30年後の、奏人目線での、番外編をいつか書いてみたいと思っています。 以下、鬼頭家5兄弟による日常の一コマです。 奏人「うちの両親たち、何年だっても、バカがつくくらいラブラブでさぁ~」 陽人双子兄「だから、俺らが生まれたんだろうが」 大翔双子弟「でも、まさか、15才離れて、妹が生まれるとは予想してなかったよ」 晃人(四男)「妹、かぁいい~~!!」 煌大(五男)「晃人、ママと、一叶(いちほ)は僕の!!」 子供達のたのしい会話が聞こえてきそうです。 奏人の気苦労は絶えそうにありません。 初心者の拙い作品にも関わらず、お気に入りや、しおり、ハートなど、応援していただきありがとうございました‼ コメントも嬉しかったです。 励まされました。 作者自身、大好きな未央が幸せになり、ほんと良かったです(涙)

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