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第32話 榛名、お仕置きされる
「じゃあ今日はシてないの?」
「っ!?し……シてませんよ」
「きみ、本当に嘘が下手だね……」
「!?」
霧咲は榛名を抱き起こすと、あぐらをかいた自分の脚の上に乗せて後ろ向きに抱きしめた。まるで全身を包み込まれるような感覚に、榛名は否応なしにときめいてしまう。
霧咲は榛名の全身をまさぐりながら、性器も刺激して再び勃起させ、後ろから耳にグチュリと舌をねじ込みながら囁いた。
「どうして素直に言わないの?夜まで我慢できなくて、午前中に自分で慰めてました、って……」
霧咲の愛撫が気持ち良すぎて、榛名はまたすぐにイキそうになる。耳元でグチュグチュ鳴らされるいやらしい水音にも、脳がとろけてしまいそうだ。
「やっ、やぁ、そんなのっ……」
「素直に言わないと、今日はココに挿れてあげないよ?」
「っ……」
霧咲の指が、榛名の後孔に触れた。榛名の体液で濡れたソコは、まだ触れられてもいないのにひくひくと軽く収縮を繰り返している。
「ほら……いいの?指もお預けにするよ?」
霧咲の指はそこにツンツン、と触れるだけで決してそれ以上の刺激は与えて来ない。榛名は観念して言った。
「オナ……て……ました」
「何?もっと俺に聞こえるようにハッキリ喋ってよ、仕事の時みたいにさ。ね?主任さん」
霧咲は、グリッと人差し指の第一関節までを突っ込んできた。
「あゥっ!……っがまんできなくて、午前中にひとりでオナニーしてましたっ……!」
焦らされる感覚がたまらない。早く奥まで欲しくて、榛名は霧咲に言われた通り大きな声で言った。霧咲が耳元でクスッと笑うのが聞こえる。その色気のある笑いもたまらない。
「驚いたな、本当にシてたんだ?あの品行方正を絵に描いたような主任さんが夜まで我慢できなくて一人でオナニーしてたなんて……職場のみんなが知ったらどう思うかな?やらしいね、榛名さん」
霧咲は榛名の呼び方を変えることで榛名を翻弄して楽しんでいる。普段二人の時は『榛名』、セックスの時は『アキ』、そして仕事中は『榛名さん』。呼び方なんてどうでもいいことなのに、いちいち反応する榛名が可愛くてたまらないのだ。案の定、仕事での呼ばれ方をした榛名は羞恥に悶えた顔をした。
「いやだっ、みんなには言わないで……おねがいします」
「ふふっ、どうしようかな?」
「やだ、やだぁ……っ」
榛名は嫌々と頭を振った。柔らかな髪が顔や首辺りを掠めて、霧咲はゾクゾクした。
「じゃあこうしようか……俺がいいって言うまで、勝手にイかないこと。守れたら職場のみんなには黙っててあげるよ。いいね?」
「や、そんなのむり……俺、すぐ出ちゃうから」
「だからこれはオシオキなんだよ、エッチな主任さんに対しての、ね?勝手にイッたらまた別のオシオキが待ってるからね。せめて俺と会う日だけはひとりでスるのは我慢していなさい。その分夜にたっぷりと可愛がってあげるから」
「あ……」
霧咲の言葉で想像したのか、榛名はとろんと蕩けた顔を霧咲に向けた。目が合い、どちらともなく互いの唇を食べ合う。
「チュ、クチュ、我慢できるね?アキ……」
「はむっ……んちゅ、がんばります……」
イキやすい自分が霧咲に触られて我慢なんてできるはずもないのに、榛名は了承した。そして霧咲の言う『別のオシオキ』とやらに下半身が反応したのは、ほぼ無意識だった。
霧咲は鞄の中から持参したローションを取り出し、『少し冷たいよ』と言いながらそれを直接榛名の腹にぶちゅうと多めに出した。その冷たさに一瞬榛名の身体が震えたが、霧咲の愛撫とアルコールで熱くなった身体には、その冷たさは心地よくてされるがままだった。
霧咲は自らの身体を榛名に押し当ててローションを伸ばしている。当然、勃起している霧咲のモノが榛名の足や腹にも当たり、ぬるぬるした感触とあまりのいやらしさに榛名は眩暈がしそうだった。
「はぁっ……はぁっ……はうン……!」
「全身がぬるぬるして気持ちいいだろ?でもまだイったらダメだよ、オシオキなんだからそう簡単にイカれたら俺がつまらないからね」
「い……いかない、です……!」
唯一榛名許されたのは、勝手にイカないようにそこを自分の手で戒めることだった。既にイキたくてたまらないのだが、つまらないと言われた手前我慢しないといけない、と思った。霧咲をがっかりさせたくない。自分の手だと不意に擦ってすぐイってしまいそうなので、もはや自分との闘いだった。
「ホントに?でもすぐにイキそうな顔してるよ、アキ」
「だっ……て、ローションぬるぬるって……!はんっ……きもちいぃっ」
「ちゃんと出ないように押さえてるね、偉いよ。さて、どこまで我慢できるかな?」
「ひぃんっ!」
霧咲の両手が榛名の乳首に添えられた。先ほどは簡単な愛撫だけだったが、今度は違う。それぞれを両の指でコリコリとつままれ、時には引っ張られたり、舐められたあとに甘噛みされたり、そんな刺激を連続で与えられた。
「あっあっあっ……!だめ、だめぇ、それ以上しないでぇ」
「嘘吐き、してほしいんだろ?」
ガリッ、と噛まれたあとに優しく舐められて、あまりの気持ちよさに目の前がチカチカした。
「やああっ!だって、だってイっちゃう!!」
「ダメだよ、勝手にイッたら許さないからね」
「ひああ、ああうっ!!」
愛撫だけで意識が飛びそうだった。けれど榛名は霧咲の言いつけを守り、痛いくらいに自分の根元を握りしめた。すると不思議なことに、精液は出せないのに何故かイキそうな快感が榛名を襲い始めた。
「あ、言っとくけどナカイキもダメだよ」
「な、ナカイキって何……っ、あふっ、あんっ、も……だめ、だ……めっっ」
「しょうがないな…じゃあ榛名、ちょっとこっち向いて四つん這いになってくれる?」
「え……っ?」
急に霧咲の愛撫が止まり、そんなことを言われた。
「顔は俺のほうに向けてね」
霧咲に言われたようにそろそろと四つん這いになった。そして霧咲は榛名の目の前に腰を下ろす。当然、榛名の目の前には霧咲の大きく猛ったモノがあった。
「……っ?」
「舐めてごらん。さっき俺がしたように」
「え……」
先ほども言ったが、榛名は口淫が嫌いだった。彼女に自分の性器を舐めさせるのも、自分が舐めるのも。けど今はどうだろう。自分を気持ちよくさせてくれるそのグロテスクなモノを前にして、怯えるでも引くでもなく、ただ非常に興奮してしまっていた。
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