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第180話 堂島、おねだりをする

「っああーもうっ……!」  信じられない。  信じられないくらい優しくて、焦れったい。  ナカに入った指を動かされるたび腰にキて、それだけで簡単にイキそうになるのに。  それなのにまだ、この堅物な先輩はソレを挿れてくれないらしい。 (もうこっちが我慢の限界だっつーの!!) 「ん?どうした」 「もっ……いれ、て……!」 「いや、まだ駄目だろ。ここ切れるぞ」 「っっかもしれないけど!でも、もう限界なんっすよ……!俺は大丈夫だから、だから、っっ……挿れてください!」  死ぬほど恥ずかしい。  前とは違う状況で、こんなこと言わされるなんて。  しかもこれは二宮が狙って言わせたんじゃないから、余計に恥ずかしい。  羞恥に耐えながらおねだりしたのに、  なのに…… 「だめ」 「なんでぇーっっ!?」 「何でって……キズモノにしたくねぇし。いくら3本指入ってもな、指と俺のチンコじゃ太さも全然違うんだぞ?」 「知ってる!!でも前は入ったから!つーか俺は既にキズモノっすからぁー!」  気持ちよさに耐えながら、突っ込みどころ満載の二宮のセリフの全てに突っ込みを入れた。 「……じゃあ尚更、今度は大事にしたいんだよ」 「うぐっ」  それを今言うのはズルい。  でも、大事にされすぎて堂島はもうお腹がいっぱいなのだ。  ――もう、いいから。  思い切り串刺しにされて、激しく揺さぶられたい。  でもただおねだりするだけでは却下される。  一体どうしたら二宮は聞いてくれるのだろうか…… 「先輩は、俺のナカに入りたくないんですか……?」 「また俺を煽る気かおまえは。黙れ、今はマジで黙れ。俺だってもうギリギリなんだよ」 「んんッ!」  身体を支えてくれていた方の手で、口を塞がれた。 (これじゃもうおねだりもできない!)  堂島が絶望して少し身体を捻らせると、ふと脚が二宮の身体に当たった。  そのまま足をゆっくりと動かすと――二宮の性器に触れた。 (うわっ、もうガチガチじゃん……!)  二宮のソレが一般的なものよりも大きくて立派なのは身を持って知っている。正直細かいところまでは忘れかけていたのだが、さっき丹念に舐めたのでサイズは把握し直した。  裏筋をつうっと足の親指で撫でると、ソレは血管の走行が分かるくらいに膨張していた。 (二宮先輩……ほんとに、本当に俺で興奮してくれてんだ)  どうにも信じ難かったのだが――可愛いとか煽るなという意味不明な言葉も含めて全体的に――やっと、理解できた気がする。  意識した途端、頭の中でぶわぁと花畑が咲き乱れたような感覚がした。  胸の内側から、何か熱いものがぐっとこみ上げてくるような…… 「おい」 「え?」 「何オイタしてんだ、この足は」 「あ」 「そんっなに俺のが挿れて欲しいなら、今すぐに挿れてやるよ……!」  二宮は爆発寸前の自身を足で嬲られたせいか、もはやその目に理性は残っていなかった。  熱で顔を真っ赤にして、ふーっ、ふーっと肉食動物のように荒い息を鼻や口から吐きだしながら、グイッと思い切り堂島の両足を持ち上げた。 「せ、先輩ちょっと待って!!」  そのまま自分の肩へ置くと、その凶器のようなペニスの先端を堂島の後孔へとグリッと擦り付けた。 「はあ!?待つか!!」 「だって先輩がそんな本気でって、おれそんな、あ、あ、ちょ……っぁあ"あ"ーーーっ!!」  自分が最大限に煽った癖に、この後に及んで静止しようとする堂島の言葉は綺麗に無視して――というか無視せざるを得ないほどに二宮は興奮していたのだけど――その凶悪な肉棒を、堂島のナカへブチブチと捩じ込んでいった。  堂島は二宮に挿れられた瞬間、同時に絶頂した。両足を抱えられた体勢だったため、勢いよく吐き出した白濁はすべて自分の胸や腹へ飛んできたが、そんなことはちっとも気にならなかった。  二宮の思惑を理解した直後に、その凶器で一気に身体を貫かれて。  当然痛みも伴うのに何故か気持ちよくて、それらが綯い交ぜになって一気に昇天してしまったのだ。 「やっべぇ……俺までイキかけたじゃねぇか……!」 「ぁっ……ぁっ……」  あまりの衝撃に、返事もまともに出来ない。  堂島は涙と涎を垂れ流しながら、ぴくぴくと身体を震わせていた。  しかし、後孔だけは無意識に二宮のモノをキュウキュウと締め付けている。 「挿れたのと同時にイクとかお前すげぇな……けどあんま締め付けんなっ!」 「あ……むりぃ……っ」  散々指で慣らされて、焦らされてからのコレだ。挿れられただけで気持ちよすぎて、まだ絶頂の余韻に浸っている。 「っ、動くぞ」  二宮は堂島の腰を抱えて、緩やかな動作で腰を振り始めた。堂島はイったばかりなので、これでも加減しているほうだ。  本当は勢いに任せて腰を振りまくりたいのだが、奥歯を噛み締めながらギリギリまで耐える。   さっきから我慢のし過ぎだと思うが、そういう性格なので仕方が無い。 「はぅんっ!あっ、あぁっ!やっ!」 「あっ……いいっ……やべ……!」  男同士とは、こんなに気持ちいいものだったのか。  女性器と比べて、締め付けが半端ない。  女性とも肛門性交はできるが、そんな性癖は無いし、シたいと思ったことすら無い。  大体今までしてきたセックスだって、二宮は割と淡白な方だったのだ。  こんな、こんな気持ちいいことは――知らない。  知らなかった。 「あんっ!あっ!せんぱ、せんぱいっ!」 「ハッ、はぁっ、……何だよ……」  やめて欲しいとか、もっとゆっくりして欲しいとか、そういう要望は一切聞かないつもりだ。  キスできそうなほど顔を近づけて――唇の先だけはふにふにと当てているが――なるべく優しい声で聞いてやる。  しかし堂島の要求は、またもや二宮の予想を大きく裏切るものだった。 「あっ、あ、もっと、もっと激しくして……っ」 〈ブチッ〉 「っっお、ま、え、は~~~っっ!!」 「え?……んぁあああっ!!」  人がせっかく最大限の我慢をして、なけなしの優しさを振り絞っているというのに!!  二宮は今度こそ本気でブチ切れて、堂島の腰をガッチリと掴み思い切り腰を前後に振り始めた。というより、ぶつけ始めた。

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