1 / 73

1-1 いきなりピンチってある意味反則じゃないか?

 月白誠(つきしろまこと)、22歳。現在大学4年生で、就職浪人候補生。  特技は物事に動じない事。どこででも寝られる事。好き嫌いがない事。  父子家庭ながら父親が育児放棄で幼稚園生から祖父母に育てられる。その祖父母も20歳の時に亡くなった。  感覚的には天涯孤独。それでも祖父母はいい人で、愛情たっぷりに育てて貰った。  多分他は色々と普通。顔だってそれなり……不細工には入らないくらい。学力も普通。彼女は高校2年の時にいたけど、清い感じだった。  さて、どうして俺がこんなことを考えているのか。それはつまり、俺という人間を俺自身が確認しているからだ。  ではどうしてそんな事をしなければいけないか。それは、今俺がいるここが常識に合わない場所で、俺に今起こっている状況がありえないからだ。  今現在、俺はよく分からない深い深い森の中にいて、そんでもって名前も知らない蔦植物に足首を絡め取られ、その状態で逆さづりにされている。流石に少し頭に血が上ってきた。  さて、こうなると色々と疑うべき事が出てくる。ここは…日本じゃないよな? だって俺、これでもそれなりの街に住んでたし、車はあってもこんな森ってどこだよ。拉致られる覚えもない。  そして今俺を捕まえているこの植物。これは俺の世界の植物なのか? もしそうだと言うなら名前と属性を教えろ。  夢かな……。なんて、ちょっと思ってみたけれど、俺を捕まえて逆さづりにしているその足首が微妙に痛い。痛いって事は、夢じゃない。ついでに死んでるわけでもない。なにせ痛い。  そうなると、だ。ここは俺の知っている世界ではなくて、こいつは俺の知らないモンスター的なものかもしれなくて、俺はこれからこいつに食われるのか?  人生22年、さすがにちょっと短くないか?  いや、残したい思いとか、とてつもない後悔とかもないけれど。でも、最後が知らん場所でよく分からん植物に食われるって、幸薄いにもほどがある。 「あ! 俺ここで死んでも誰も気づいてくれないんじゃないのか!」  うわ、家族なし、職無し、彼女なしで墓なしかよ! ちくしょう、ちょっと恨んで出てきたくなってきた。  蔦が俺の太ももの辺りを掴んだ。本格的に離す気はなさそうだ。抵抗してみたけれど、もの凄い力でどうにもならない。腕にも絡んで本格的に自由がない。口か? 言葉か? それって最大の暴力使うぞ! 「んぅ! むぅぅぅぅ!」  その口にも何かそこそこ太い蔦が入り込んで口いっぱいに言葉を塞いだ。この蔦、ちょっと気持ち悪い。ヌルン、スベーとしている。太さはフランクフルトくらい。それがうねうね口の中で蠢いている。 「んぅ!」  なんか、時々チリッとする。くすぐったいような、痺れるような。  いつの間にか姿勢は真っ直ぐになった。頭に血が上るのはとりあえず回避。ふぅ、やれやれ。  けれど太ももを捕まえている蔦が割り開くようにしてくる。俺、このまま割けるチーズみたいにされるのか? 「むぬぅ、ふぐっ」  それにしてもこの口の中のもの、ちょっと不愉快。先っぽが舌みたいにうねうねして、絶妙に気持ちが悪い。それに時々喉の奥にぶつかって、その度に嗚咽が漏れる。  苦しいし。 ふと視界に、なんか細いのが数本見えた。あれは…なんだ? イカゲソぐらいの細さで、数はイソギンチャク? うねうねして気持ち悪い。  それが俺に伸びてきて、ズボンの裾から入り込んだかと思うと器用にうねって先に進んで、俺の息子に絡みついた。 「ふぅぅ! んうぅ!」  細いのが絡みついて扱き上げてる。しかも絶妙な力加減! 何これ凄い! って、飲まれてる場合じゃない!  抵抗しようと身を捩ってもどうしようもない。押さえつけてるのはすんごい力だ。へたに動いたら関節とか外れそう。  そのうちもどかしくなってきたのか、違う蔦が乱暴に俺の服を剥ぎ取っていく。ビリッと破かれる度に乙女チックに「ひぃぃぃぃ!」と声が出そうだ。そうしてどんどん無防備にされた俺は、そいつをしっかり認識した。  ラフレシアかよ! と思うような大きな花から蔦が無数に伸びてきてる。凄い色の花だ。暗いオレンジに黒に近い紫って毒感半端ない! 「んぅ! んんんんんん!」  ヌルヌルっと、蔦が俺のケツを撫でた。ベロンベロンと撫でたそれは、細いのをいいことにヌチュと入り込もうとする。俺は急いでケツの穴を引き締めた。こんなの入ったら何されるか分からない。  でもそれはクイクイと押してくる。何より先が尖ってて、入り込みやすい形をしている。ツプッと一本が入り込むと、後はもうどうしようもない。我先にと三本が入り込んで、奥を目指してヌチュヌチュと侵入してきた。 「いっ! ふんぅぅぅぅぅ!!」  括約筋頑張れ! 俺のケツ穴は一気に広げられている。中で蔦がギチギチと狭そうに出入りしている。腸壁を撫でられるなんてゾワゾワする。俺の目尻から涙が溢れた。  蔦の一つが俺の胸にも伸びてくる。ツルンとした乳首をコロコロと転がすと、先端から何かヌルヌルしたものを出してきて、それを塗りたくっている。くすぐったい感じがしているけれど、徐々にそこが熱くなってウズウズとしてくる。 「ふっ、ふぅんぅ」  気持ちいい。初めてこいつの行為でそう思った。頭の中がトロトロと蕩けていく。ジンジンと痺れるような感じと、押し潰されたときの甘く痺れる感じ。ジワッと切ない感じが広がっていく。  口を犯していた奴も動きを変えた。理性的に舌を絡め、歯の裏や舌の付け根を刺激してくる。トロトロと甘い蜜みたいな物が出てて、それを飲み込むと強い酒を流し込まれたみたいに体が熱くなった。  あっ、もしかしてこれって、毒てきなものかも…。  思った時には遅い。体が芯から痺れて疼いてくる。前がパンパンに膨らんで、ズチュズチュと音を立てている。すんごいお漏らし状態だ。ってか、扱かれる度に先端から溢れさせている。玉、重いかも…。  こうなると尻を犯しているのも気持ちがいい。いつの間にかイカゲソからタコ足くらいの太さに変わっていた。それが俺の中を犯しまくってる。  心臓壊れそう。気持ちよくて崩壊する。わけが分からない。俺、もうイキたい。  俺の希望を理解したのか、イカゲソが前を激しく扱き上げ、潜り込むように先端を虐める。それだけでも体は内からカッと熱くなったのに、中に入り込んだタコ足がよく分からない部分を強く押し込んだ。 「ふぅぅぅぅぅ!!」  ビクンッと体を強ばらせた俺は、そのままドッと吐き出した。止まる気配がない。人生においてこれだけ出した事ってあっただろうか。止まらなくて、逆に辛い。玉が空っぽになるかってくらい吐き出して、ようやく俺は脱力した。

ともだちにシェアしよう!