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8-1 無理矢理な欲情

 俺が目を覚ました場所は、どっかのベッドの上。そして俺は腕を縛り上げられていた。  慌てて腕をほどこうとしても、強く縛られた部分が痺れるばかりで解ける気配がない。 「おっ、目が覚めたか」  無精ひげのごつい男が近づいてくる。ゴツゴツした筋肉の、あまり清潔感のない男だ。俺はそいつを凝視したまま、声が出なかった。 「おーい、目が覚めたぞ!」  明かりのついている部屋に声をかけた男の後から、もう一人男が現れた。同じように筋肉の暑苦しい男だ。 「やっぱ可愛い顔してると思わないか?」 「あぁ、これは売れる」  これを聞いて、俺は震えが止まらない。頭の中では「やっぱり」という言葉が乱舞してる。こいつらは闇商人に物を売りつける違法冒険者だ。 「おっ、震えてるじゃねーか。可愛いもんだ」 「やっぱ味見しようぜ。俺達もここで足止めされて欲求不満だ」  後から入ってきた茶髪の男が俺の顎を掴んで無理矢理自分のほうへ向かせる。  嫌だ、こんなの。こんな奴にいいようにされるなんてまっぴらだ。 「泣きながら睨むなよ。ゾクゾクするぜ」 「だが、初物のほうが高いんだぞ?」 「おまけだろうが、いいだろ? お前みたいな筋肉だるまを毎日見てると息子が萎える」 「なんだと。それはこっちも同じだ」  男達は言い合っている。俺はその間、震えがとまらない。  何をしようというのか、こんなに分かりやすい事なんてない。こいつら俺を犯そうっていうんだ。  俺の顎を掴んでいた茶髪の男が乱暴に俺の服を脱がせる。ブチブチと音がして、服が破けた。 「うっはぁ、たまらないぜ! おい、お前も来てみろよ!」  呼ばれた黒髪の男が俺の肌を見て生唾を飲む。俺を見る目が明らかに変わっていた。 「薬飲ませなきゃ平気だって。それに初物じゃなくたってこの色気だぜ? 変態野郎に可愛がってもらえるだろうさ」 「そうだな」  渋っていた黒髪の男が陥落したら、誰が止める!  俺は暴れながら叫んだけれど、所詮肉体的な優位は覆せない。抑えられたまま乱暴に服を剥ぎ取られてしまった。 「なぁ、あれ使わないか?」  茶髪の男が懐から小さな瓶を取り出す。そこにはピンク色の液体が入っていた。 「高いんだぞ、それ」 「いいじゃないか、取ってきたばかりだしよぉ」  そう言うと男は俺の口を無理矢理開け、薬を流し込んで鼻を摘まんだ。息苦しさにどうしようもなく口を開ければ、結局飲み込んでしまう。  どろりと甘く絡むその味を、俺は知っている。 「あっ…あぁ…」  タネヤドシ。あの植物の媚薬だ。 「直ぐに脳みそ蕩けるほど気持ちよくなるから、楽しもうぜ」  ニタリと笑った男の手が無遠慮に胸を撫で下ろす。ゾワッとした感覚は奥に甘い痺れがある。  知っているんだ、この薬がどんなものか。燃えるような切ない熱が体中を犯していくのが。

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