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第6話
そういうと由斗はひらひらと手を振り去っていった
重たい気分のまま1日過ごした。
嫌みなくらいの青空で肩を落とす
初めて自分から好きになった相手…初めて告白して…付き合えた人…
その人はとんでもない人だった
智輝と初めてあったのは入学式。
バカみたいにデカイ敷地で迷っていた俺を見付けてくれて案内してくれて…
入学したら同じクラスで向こうから話し掛けてきてくれて…
いつも爽やかに笑ってて人に囲まれてて…
人見知りな俺を気遣ってくれて。智輝のお陰で友人が出来た…
智輝の優しさが…あの綺麗な笑顔が…いつしか好きになってた…
そして勇気を出して告白して…それなのに…
放課後智輝が俺の元へやって来た
「みーちか!」
「…」
「今日ずっと浮かない顔だったけど何かあった?」
「…智輝…」
「ん?」
「俺は何番目の恋人?」
「えっとねぇ…一番日が浅いから…」
そういうと空を見て指折り数える…
その姿にため息が漏れた
「はぁ…もういいよぉ。」
「何で?」
「智輝は皆好きなの?」
「うん。大好き!みんな可愛いもん」
「智輝…別れて?」
「えぇ?最短記録!なんでぇ?」
「ごめん…俺…他の人みたいに…他にいて我慢できるほど大人じゃないんだ…恋人には俺だけを見て欲しい」
「そう?わかったぁ。路夏可愛かったから残念。じゃあね」
引き留めることもされなかった
結局これが智輝の答え…
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