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第5話

「あれぇ?おはよぉ。路夏。後ろにいたなら声かけてくれればいいのに」 相変わらず爽やかな笑顔で俺に話しかける智輝。 それを訝しげに見つめる空雅… うん…気まずい… 「いやぁ。二人があまりにも仲良すぎて邪魔しちゃいけないかなって」 「どうしてぇ?路夏も俺の恋人でしょ?」 も?今…“も”って言った? 「あれ?言ってなかった?空雅俺の恋人」 悪びれもなくそう告げる智輝 「えっと…」 「ともぉ!いこぉよぉ」 空雅がぐいぐいと智輝の腕を引いていく それを見送る… 「はよぉ。路。どしたぁ?…あ?智輝?」 「…」 友人の由斗が俺に話しかけてきた 「…」 「どしたぁ?お前もしかして智輝の恋人にでもなった?」 「…」 「あぁ…もしかして智輝のあれ知らなかったの?」 「…ん…」 「そかぁ…お前外部入学生だもんなぁ。智輝昔からあんなだぞ?」 「昔?」 「うん。俺も昔付き合ってたし」 「え!?」 「ん~内部のやつであいつと付き合ったことないやつ探す方が難しいよ?」 「…何で別れたの?」 「俺に他に好きな人出来たから。結局うまくいかなかったけどね。あいつは去るもの追わずだし来るもの拒まずだよ。どんな奴とでも付き合うよ?告白してきたら」 「…そう…」 「どうするの?それ許せないなら早めに別れた方がいいと思うよ?」 「…別れる…」 「そう。賢明だね」

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