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第53話

それから次に智輝が登校してきたのは一週間たった頃だった その頃には智輝の恋人たちはみんな登校してきてた… 深雪と律は何だか窶れた気がする… それもそうだ…二人は琉輝さんの特にお気に入りで何度も呼び出されているみたいだから… 二人ともこの一週間で別人になったよう… 確実に琉輝さんに溺れていったから… 京と空雅はまだ競技に復帰ができない。でも指導には行っているようだ。 この二人は散々痛め付けられてもう智輝の顔も見ないように避けるようになっていた… まだ好きだから…好きが溢れてしまいそうだからだと思う。 智輝は相変わらずいつものように笑ってて…たまに俺たちを呼び出しては体を重ねた。 恋人という形ではなく完全にセフレ化していた。 「もう俺は恋人は作らない…二人が側にいてくれればいい…」 それが抱かれるときの智輝の口癖になっていた 離れないよ…何度も囁くけれど智輝の不安はぬぐえない… そんな日々が続き皆が、落ち着きを取り戻していき随分と時が過ぎた。季節は代わりまた新しい春が来る。

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