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第54話

クラス替えもないのでまた智輝と由斗とは同じクラスだ でも…一年の三学期に入った辺りからあまり二人と話していない…それは今でも続いてる 呼ばれるのもその頃から由斗だけになった…もう俺は要らない? まだ智輝にも由斗にも直接いらないって言われてないのでその現実を認められないでいた。 避けられ始めた頃から俺はバイトを始めた。二人との距離が出来、空いた時間が苦しくて堪らなかったから…何かしらしていると気が紛れたから… その日もいつものようにバイトに向かうところ。そんなとき声をかけられた 「こんにちは。近衛 路夏くんだよね?」 突然の対面だった 「こんにちは…」 この人はきっと… 「醒井 琉輝です。智輝知ってる?」 「えぇ。クラスメイトなので。」 「クラスメイト…ね…智輝の兄です」 「お話は聞いています。智輝が自慢のお兄さんだって。尊敬しているんだって言ってましたから」 「そう?うれしいな。」 「俺に何の用ですか?」 「智輝に名前を聞いたことがあったから会ってみたくなって」 心臓の音が五月蠅い…まさか俺のところに来るなんて思いもしなかった… 本当に…智輝に良く似た柔らかな感じの人だった… 由斗に聞いていた人とは程遠く…でも間違いなく本人で… 「俺はただのクラスメイトでしかないので智輝のことお話しできないですよ?」 「ふふっ…可愛いね」 「は?」 「智輝の友達にこれまでいなかったタイプだね」 「智輝の回りは凄い人多いからですね。智輝は人見知りの俺を回りに溶け込ませてくれた人で感謝してるんです。でもあまり会話も最近はしてないから今の智輝の様子はわかりません。俺バイトなんでもう行きますね」 「またね。路夏くん」

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