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第55話

その日を境に琉輝さんは俺の目の前に現れるようになった。 「こんにちは。路夏くん」 「こんにちは。」 「お茶しに行かない?」 「…ナンパですか?」 「ははっ!!そうそう!」 「間に合ってます」 「本当に…君は面白いね…」 「普通ですよ。琉輝さん。お仕事は?こんなに頻繁にたまたまが続きますか?」 「ん~…仕事はパソコンさえあれば何処でも出来ちゃうし今日のお仕事終わってるよ。俺ね。本気で路夏くん落としに来てるの。なんかこれまで出会ったことないタイプだから気になってさ」 「はぁ…そうですか…俺今のところ間に合ってますんで。他を当たってください。じゃあ。失礼します」 「また来るね」 「来られても困りますけど…」 「ふふっ…じゃあね」 何を考えているのかさっぱりわからないので正直怖い。 でも警戒心を解きかけていた自分を叱咤する。 あの人は智輝を苦しめたい人… 仲良くなってはいけない人…

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