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第61話
「やぁ。路夏くん」
「琉輝さん…」
「バイトお疲れ様」
「よくわかりましたね。ここが」
「ふふっ…たまたま仕事でこの辺に来たときに見かけたから」
「そうなんですね」
「明日は学校休みでしょ?食事付き合って」
「いえ。課題があるので。失礼します」
「だぁめ!今日は付き合ってもらうから」
手を引かれ引き摺られるようにして近くに停めてあった琉輝さんの車に乗せられた
「…痛いです…離してください」
「あ。ごめんね」
「いえ…」
連れてこられたのはお洒落な店。
お酒がきれいに陳列されていておそらくバーの様なところ
「俺未成年なのに…こんなとこ入っていいのかな…」
「大丈夫。ここ俺の店だし。今日はお店店休日なんだ」
「え?それなのに来ていいんですか…?」
「いいのいいの。ウーロン茶でいい?」
「あ…はい」
琉輝さんの用意したものに口をつけるのは正直怖い
でも変に警戒しすぎたら何かしら勘付かれるかと思うと素直に口にしてしまった方がいい気がして…
結局普通のウーロン茶だったし食事もとても美味しくて
「どう?美味しかった?」
「はい。ごちそうさまでした」
本当に何を考えてるんだろう…
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