60 / 321

第60話

由斗side 「由。智輝…ちょっといい?」 こっちのクラスにはあまりこない空雅がやって来た。 路には気付かれてない 空雅に連れられ空き教室に入る 「空雅…久しぶりだね」 「うん。」 「兄さんとは続いてる?」 「続いてない。智輝。君は随分と幸せそうだね?こんな綺麗な恋人いるもんね」 「ちが…っ…」 何か告げようとする智輝を制する 「どうしたの?空雅。別れてとか言いに来た?」 「ねぇ。どうして最近みっちー1人にしてるの?」 「智輝が路のことを好きだから。空雅ならわかるでしょ…?」 「やっぱりそっか…みっちーを守るため…だね…でもねその小細工通じてない」 「は?どういうこと?」 「…お前たちが避け始めた頃から…琉輝さんみっちーがバイトに行くとき必ず裏門で待ってるよ」 「…」 やっぱりか…通じない気はしてたけど… 「でも路は俺たちと離れたお陰で絆されてないでしょ?」 「確かにね。逆に恐ろしくない?」 「…俺たちが離れてる間は路は大丈夫だよ」 「…琉輝さんが本気で落としに来てても?」 「路は智輝が好きだからね。大丈夫」 「傷ついた心の隙間に入られたら?二人が離れたことでみっちー本人も気付かないうちに傷付いてると思うよ…みっちーの家庭環境も調べたんでしょ?」 「…」 「だったら優しさに弱いこともわかってるでしょ?」 「…もう少しで全てが揃う…だから…それまで様子見ててくれない?空雅。俺たちがまた接するようになったらおそらく全てが整う前に路がボロを出してしまう可能性があるから…」 「…俺だけじゃ守りようがないよ?俺はあの人見ると足が竦んで動けないんだから…」 「…見ていてくれるだけでいいから…」 「…わかった…でも急いで。時間の問題だよ」

ともだちにシェアしよう!